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女の恋は上書き保存、 男の恋は名前を付けて保存 34

 理佐は、答えに少しの間迷った、正直どんなふうに友里恵へ答えていいのかさえ、わからなかった、彼女が意味する「本気」か、どうかさえ、自分では判断がつかなかった。
それをうまく言えない、自身が少しもどかしく感じた。
 少し間をおいて、理佐は友里恵に、自分には娘しかいなくて、あの年齢の男の子は「愛しい」「かわいらしい」と、は思うけど、優弥に対する感情は「恋愛」とは少し違うような気がする、理佐は、息子を、愛しいと思う感覚に近い、と答えた。それが、友里恵に対する今の最善の回答だと思った。
友里恵は、少し笑いながら、やっぱりという顔を理佐へと向ける。
「それよ、それ、あなた昔から、その点が鈍感なのよ、悪い癖だわ、そばで私が何回もこんなこと見てきたからよくわかるわ、あなたいつも無意識のうちに、愛情以上恋愛未満の行動をしがちなのよ」と友里恵は我が意を得たり、とばかりに早口で、まくしたてる。

「愛しいという気持ちと恋愛は全く別なのは私だって理解できるし、あなたも心の中では、きちんと区別できても、あんな若い子があなたの振る舞いを見て、わかるわけないじゃない? あの年くらいの男の子って、周りの女の子にないものを、貴方のような女性に見つけたりするのよ、それで好きになったりするんだから、誤解して当たり前だわ、それで苦しめたら、少しかわいそうよ。」

理佐は確か、若い時にも同じようなことを、友里恵に言われたことを、思い出していた。あの時も確か、同じようなことを注意されたような気がする。


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あけましておめでとうございます


今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。

恋愛以上、不倫未満・・・・

22歳の大学生とアラフィフの女性の恋・・・どうなるのか・・・


もう少しお付き合いください。

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