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Tall Poppy Syndrome(TPS)とは

カナダの女性活躍を支援する団体Woman of Influence+(WOI+)が
カナダ、アメリカ、イギリス、オーストラリア、インドに住む4,710名の
キャリアを築いた女性にアンケート調査したレポート"Tallest Poppy 2023" How the workforce is cutting woman down①(以下TPレポート)がある。
キャリアを築いた女性が過小評価をされるような経験をしたことがアンケート調査から判明した。それはTall Poppy Syndrome (TPS)という。
名前の由来はけしの花が高く伸びると、他の花と同じ高さにするために切られることから来ている。日本の「出る杭は打たれる」に相当する表現だ。

レポートによると実に回答者の86.8%が職場でTPSを経験した。具体的には:
・実績を過小評価された:77%
・孤立した:72.4%
・評判を傷つけられた:70.7%
・実績を無いものとされた:68.3%
・アイデアを横取りされた:66.1%

上記のような状況下におかれた結果:
・ストレスが高くなった:85.6%
・メンタルヘルスにマイナスの影響を及ぼした:73.8%
・自信を失くした:66.2%
・燃え尽き症候群を経験した:61.0%

最近では、歌手として成功を収め、様々な分野に影響力のある
テイラー・スイフトが「34歳で未婚で子どもがいない」ことを若い女性の
ロールモデルとして疑問視するNewsweekの記事②が、アメリカで物議を
醸している。

潜在意識のジェンダーバイアスにより、管理職等リーダーのそれなりの地位は男性のステレオタイプと合致する為、女性は頭角を現そうとするとダブルバインド(二重拘束)に陥る。女性は有能か、あるいは好かれるか、両方は難しいといわれる所以である③。

誰が花を切っているのか?
TPレポートでは、多くが男性で権限のある上司やシニアの地位からが多く、顧客や取引先も含まれていた。

日本は女性管理職に占める割合がOECD参加29ヶ国の中では最下位④であるが、同様の調査を実施したら、どのような結果が得られるであろうか?

キャリアを築こうとする女性はOld Boys Clubには属せず、努力を惜しまない。ジェンダーバイアスによる評価の差や、賃金格差の課題、Glass Cliffといわれる難しい職務に就く傾向もあり、逆風に立ち向かわなければならない。

TPレポートでは50%がTPSを経験した結果、就いていた役割、仕事から離れたという。
個人が能力をフルに発揮でき、有能な人材が流出することなく、誰もが自由に創造性を発揮して様々な種類の花を咲かせて好きなだけ伸びることが理想だが、女性活躍における乗り越えるべき課題はつきない。

引用
①The Tallest Poppy 2023、International Research Project by Women of Influence+
②Tayler Swift is not a good role model, Newsweek, July 2024
③Queen Bee Syndrome, Creative Center for Leadership 2016
④The Economists Glass Ceiling Index 2024





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