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ベンチャー企業における採用戦略

現在僕は、オープンエイトでCFOという立場ではあるのですが、財務に加えて人事や経理、法務など、コーポレート領域全般を管掌しています。過去も、Mercer Japanという人事コンサル、そして、メドピアという事業会社で、経営企画部長として、人事領域も管轄してきました。
そして、オープンエイトに入社をしてから、業績拡大に従って採用も強化しており、大企業と異なり、待っているだけでは候補者が集まりにくいベンチャー企業において、色々と試行錯誤をしながら採用活動を行ってきました。まだまだ僕自身も勉強中ではありますが、特に、ベンチャー企業が採用を行うに当たって意識するべきことにつき、一つの示唆になればと考え、今回は採用活動について、考えている事を書いてみたいと思います。

オープンエイトの直近の採用状況

採用数

参考までに、オープンエイトの状況を共有すると、2019年9月では69名だった従業員数が、足元では90名まで増加しています。右側に主な採用職種を書いていますが、ビジネス、開発、コーポレートなど、幅広い領域で、シニア層・ミドル層を中心に採用を行ってきました。VPoEや、監査役の採用については、それぞれプレスリリースも発表しています。

採用を強化するに当たり、意識したこと

上記採用を行うに当たり、主に意識したポイント、強化したポイントは以下のとおりです。

① 採用計画の精緻化
② 会社のアピールポイントの明確化
③ 採用管理ツールの導入
④ エージェントとの関係構築強化
⑤ ダイレクトリクルーティングの強化
⑥ リファラル採用の強化
⑦ 採用広報の強化

それぞれのポイントについて、触れてみたいと思います。

① 採用計画の精緻化

採用を計画するに当たり、”とにかくいい人を、なるべくたくさん、なるはやで” という指示は、しんどいです。もちろん、緊急でそうせざるを得ない時もありますが、通常、1人の人を採用しようと思うと、その職種や要件(所謂ジョブ・ディスクリプション。以下JD)を整理して、オープンしてから入社日まで、早くとも2~3ヶ月はかかります。また、その職種のターゲット年収や、譲れないポイントなどを整理しておかないと、初めは候補者がたくさん上がってきても、最終面接で通過しない、などが起こり、効率が非常に悪いです。その為、少なくとも以下のような形で、毎週一回、採用計画の進捗・擦り合わせを行うことが大事だと考えます。

採用計画

上記はダミー図ですが、どの部署において、どの職種で、どのStage(給与レンジ)の人を、いつ欲しいかを決裁者間で擦り合わせることは、極めて大事だと考えます。もちろん、たまに、上記に該当しない極めて優秀な人と出会えることはあるので、採用計画だけに捉われないことも重要と思いますが、まずベースとしての採用計画を握ることが前提だと思います。

② 会社のアピールポイントの明確化

後で出てくる、エージェント、ダイレクトリクルーティング、リファラル、イベントなどの実施をするに当たり、まず、自分達のアピールポイントは何なのかを明確化させることが、全てのスタートであると考えます。これが整理できていないままで、闇雲に各施策を広げても、結局良い方をご紹介頂けなかったり、関心を持って頂けなかったりする為です。

アピールポイントを明確にするに当たっては、エージェントの方、候補者の方が比較するであろう他の候補先との違いがわかることが重要と考えています。例えばオープンエイトの場合だと、以下のような形で整理しました。

・「人の気持ちを動かす、質の高い情報を体験できる世界を創造する」というミッションに基づく、コンテンツテック領域のSaaS事業であり、所謂「攻め」のSaaS事業が経験できる
・他のテック領域に比べ、競合他社が少なくブルーオーシャンであり、また、技術的に世界トップレベルの優位性/特許を持つ為、先頭で業界を創っていく経験ができる
・29歳の執行役員、女性の執行役員もおり、抜擢人事も頻繁に行われている為、年齢や性別に捉われず、能力がある方が報われる環境
・従業員持株会を導入しており、IPO時での経済的インセンティブが期待
・スーパーフレックス制度を全社員に導入、在宅勤務と自宅勤務の組み合わせも自由であるなど、各人のワークライフバランスに合わせた働き方が可能

③ 採用管理ツールの導入

エージェント対応、ダイレクトリクルーティング、リファラルなどの施策を行っていく上で、まず、採用管理ツールを導入しました。メールベースなどでやり取りをすると、どうしても抜け漏れが多くなったり、調整に時間がかかったり、後での分析などがとてもやりにくくなるためです。
HRMOS、Talentio、HERPなどが恐らく有名なツールかと思いますが、何かしらこうした採用管理ツールを入れた方が良いと思います。

④ エージェントとの関係構築強化

採用を強化するに当たり、まず行ったことが、エージェントとの関係強化でした。エージェントと一括りにいっても、

・総合エージェント
・ハイクラスビジネス人材に強いエージェント
・スタートアップ向け人材に強いエージェント
・若手ポテンシャル人材に強いエージェント
・エンジニアに強いエージェント
・広告業界に強いエージェント
・経理 / 法務などのコーポレート領域に強いエージェント

など、様々なエージェントがいます。全てにオールマイティ―に強いエージェントはあまり存在せず、一定の領域に強いエージェントが多いと考える為、きちんとバランスよく、必要な人材に強いエージェントとコミュニケーションを持てていることがとても大事だと思います。

そして、自分達と相性の良い、特に重要なエージェント(10~15社くらい)とは、少なくとも月に一度、時には1~2週に一度、定例のMTGを開き、直近の募集状況や、細かな各ポジションの擦り合わせなどをすることが大事だと思います。

また、定期的に、エージェント向けの説明会なども実施し、自社の魅力や最新の状況などを伝えることが大事と考えています。例えば直近だと以下のような説明会を行ったりしました。

⑤ ダイレクトリクルーティングの強化

ビズリーチ、キャリトレ、OnePair、Eight、yenta。エンジニア向けだと、FindyやGreenなど、様々なダイレクトリクルーティングツールがあります。これも、エージェントと同様、各ツール毎の特色や、強み弱みがあります。

自社にとって必要な人材が揃っているツールを適切に選ぶこと、また、②であげた強み・魅力を候補者の方に伝わりやすくすることが、大事だと思います。

なお、特にダイレクトリクルーティングの場合で、特にベンチャー企業の採用での観点からは、新しく出てきたサイトに、ベンチャーマインドを持った方が集まりやすいという特徴はあると考えています。オープンエイトとしても、新しいサイトや手法など出てきた時は、なるべくまず試してみるようにしています。

⑥ リファラル採用の強化

リファラル採用の強化に当たっては、

・まず役員 / シニアメンバーが背中を見せること
・働く従業員の方にとって魅力的な環境を作ること

の2点が大事だと考えています。僕自身、何名か一緒に働きたいと思う方に声を掛け、オープンエイトに入って頂いたのですが、やはり、会社全体の状況や、今後の方向性などがよくわかる役員 / シニアメンバーがまず率先して動くことが重要だと思います。

また、例えば各種リファラルシステムの導入など、リファラルを行いやすくする施策を導入することも有効とは思いますが、全社的にリファラルを活発化させていくには、(急がば回れで)会社をより魅力的な場所に行くことが、結果として全社で取り組みが広がる結果になると考えています。

⑦ 採用広報の強化

特に今回のコロナが起こった影響などから、本当にこの会社は採用をしているのか(急に選考ストップになったり、ポーズとして見せているだけではないのか)という不安をエージェント、候補者の方が持つことも増えてきたように思います。そうした中で、我々としては、「変わらず採用を強化している」というメッセージを出すことが重要だと思い、自社でもプレスリリースを出すと共に、関連するサイトにメッセージなどを出してきました。

状況に合わせ、採用広報を積極的に行っていくことも、施策の一つとして重要と考えています。

最後に

まさに先ほど紹介した自社プレスリリースの通りですが、オープンエイトとしては、コロナ禍においても堅調に導入社数、業績を伸ばしています。with コロナ、new normalで、非対面の機会が増える中、いかに自社・自社サービスの魅力を伝えていくかという観点からも、動画を活用する機会は増えると思っており、VIDEO BRAINのポテンシャルは大きいと思っています。

エージェントの方、候補者の方で、これを見て頂き、ご関心を持って頂いた方は、是非弊社へのご応募、宜しくお願いします!


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