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採用時に候補者 / エージェントに自社の魅力・実態をどう伝えるか

以前に、ベンチャー企業における採用戦略というテーマで、大きな全体観としての採用戦略をまとめました。

今回は、より具体的な内容として、候補者や、エージェントの方に、自社の魅力や実態をより分かって頂く為に、どのような内容を伝えることが有効なのか、考えていることを書いてみたいと思います。

人が仕事を決める上で重要視する四要素

四要素

僕が考えている、人が仕事を決める上で重要視する四要素は、(1) ミッション・ビジョン、(2) 仕事内容、(3) 仲間・上司、(4) 制度・待遇となります。そして、この中で、重要視するウェイトは、人によって異なると考えており、誰もが各要素を25%ずつ重視する訳でもなく、一方で、0 / 100で、どれかだけを100%重視する人もあまりいない印象です。なので、大体の方が、ウェイト付けをしたこの四要素を元に、仕事を選んでいると考えています。その為、

・対エージェントの方:自社におけるこの四要素を等しく伝えた上で、各候補者の方に合わせて重視すべきところを伝えてもらう
対候補者の方:その方がどこに特に比重を置いているかをヒアリングした上で、そのポイントに比重を多く、説明をする

と、コミュニケーションを分けることが良いと考えています。それでは、この観点を前提に、各要素について、具体的にどのような観点を候補者 / エージェントの方に伝えるべきなのか、考えてみたいと思います。

観点①:ミッション・ビジョン

Key Questionの例:
・なぜ創業したのか?
・何のために存在する会社なのか?
・将来的に成し遂げたいことは何か?

ベンチャーが大企業に対して優位に提供できることは、究極ミッション・ビジョンしかない、と尊敬する経営者の方から教えて頂いたことがありますが、これがまず、第一のポイントになると考えています。

ミッションビジョン

例えば僕らの場合、”世界を豊かにするコンテンツテクノロジーカンパニーになる” というビジョン、”人の気持ちを動かす質の高い情報を体験できる世界を創造する” というミッションを掲げています。その為、僕らの主力事業はVIDEO BRAIN という誰でも動画を簡単に作ることができるサービスですが、僕らにとって動画とは、ミッションを実現する為の一つの手段です。その為、動画の可能性を感じて我々に応募頂く方は多いですが、あくまでも動画だけに拘りたい方の場合、もしかしたら我々と価値観がずれる可能性もあります。ミッション・ビジョンに共感頂けるかどうかは、マッチングの観点から極めて重要と考えています。

観点②:仕事内容

Key Questionの例:
・どのような仕事をその方に任せたいか?
・具体的にどのような戦略で事業を伸ばしていく方針なのか?
・どのような能力 / スタンスの方に来て頂きたいか?(具体的なペルソナ)

具体的な仕事内容を話すことはもちろんですが、採用候補者の方も、ある意味投資家と同様、自分の人生をその会社に一定期間張ることになる為、具体的にどのような戦略で事業を伸ばそうと思っているか、具体的な勝ち筋は何なのか?競合他社対比の優位性はどうなのか?といった観点を非常に重視されていると思います。人事が経営戦略を理解しなければいけないポイントはまさにここで、ただ何をやっているかに留まらず、自社の経営戦略をありありとエージェントの方に語れるかどうか(あるいは必要な経営陣を適宜エージェントにアサインしてフォローできるか)は、とても大事だと思います。

観点③:仲間・上司

Key Questionの例:
・Value、Credo、行動指針は何か。その行動指針を浸透させる為に行っていることは何か?
・どのような組織構造で、どのようなチーム体制か?
・意思決定のプロセスや、仕事の進め方の特徴は何か?

まず、その会社の大きな人に対する考え方を知るのに、最も重要なことはValue / Credo / 行動指針(会社によって定義がやや異なりますが)などの、社員に対して最も重視している価値観だと考えています。また、ただそれを定義しているだけでなく、実際に社員はそれを理解していて、その通り動いているのか。浸透させる為の施策は何か?など掘り下げて伝えることで、ただ定めているだけなのか、本当にその会社の中に根付いているものなのか、違いが大きくわかると思います。メルカリの「Go Bold」、DeNAの「こと」に向かうなどが有名です。僕らも、「Keep Moving」「Break the Border」「Play for Team」という3つのValueを元に、半期に一度、全社員の投票で各ValueのMVPを決めたり、実際の評価において、当該Valueの達成度を重視するなどして、言葉だけでなく、実際にこれらのValueが社員に浸透するよう図っています。

観点④:制度・待遇

Key Questionの例:
・給料の具体的な上昇例は?
・実際の労働時間は?
・特徴的な人事制度や福利厚生は?

なるべく具体的・実際の部分 / 特徴的なところが知りたい、というのがニーズにあると思うため、上記のような情報を出すことが良いと思っています。特にベンチャー企業の場合、大企業に比べて劣っているところもあれば、より柔軟に対応できる、良い部分もあると考えている為、それらの情報を具体的に出すことが重要だと考えています。

例えば僕らの場合、フルフレックス / フルリモートで働けるところ従業員持株会を全社員に導入しており、IPO時の経済インセンティブを得ることができることなどが、特徴的な良いところだと思っています。その分、所謂大企業で設定されている、各種細かな福利厚生 / 補助手当は、そこまで多くないかもしれません。

最後に

Overallの質問として、

・実際に我々の会社で活躍している人はどんな人材か?
・逆に、あまり活躍できなかった人材はどんな人材か?

ということを話すことも、有用かと思います。これらの質問の回答は、先ほど挙げた、(1) ミッション・ビジョン、(2) 仕事内容、(3) 仲間・上司、(4) 制度・待遇のどれかに関わってくるかと思いますので、この質問をフックに、各要素を深掘りしていくイメージです。

候補者、エージェントの方に、自社の魅力・実態を正しく伝え、より良いマッチングができるよう、今後とも意識していきたいと思います。

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