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台上前転ができない子は何ができないのか?

一言で言うならば、低い所での両足踏み切りでの前転ができてないから、という風に僕は思っています。

運動の系統から考えて、台上前転と開脚とびとは違うんです。要は腕で支持して切り返す、飛び越すっていう、いわゆる開脚跳び、抱え込み跳びってその2種類のこのようなやつ。それと違って、台上前転っていうのは台の上での高さがある中での前転なので、系統が違うわけですね。でもだけどそれは跳び箱っていう運動の性質上、高いところでの技を決めなきゃいけないので、踏切が本当に重要なポイントになるわけです。両足でポンで踏み切れないと絶対回れないわけですよね。なのでこの台上前転の体育授業において、場を作っていく上で重要なのは、低い所で両端でちゃんと踏み切った形で前転ができるっていうことを大事にしていくのが原則かなとか思うんですね。

なのでいきなり跳び箱を準備させてどんどん飛ばせる、回らせる、ということではなくて、基本的にはですね第一時間目みたいなところではマットで前転をたくさんさせていきます。その時に、絶対に言うのは両足で踏み切りんですよっていうやつですね。マットをグループごとに用意させ、その場で両足で踏み切る、ポンって、それを子ども達にやらせます。

1回全員集めて教師のところに集めて、バラバラの足の形で歩きながらの前転を見せます。良くない見本です。てこれじゃだめなんだよって。そして次に両足で踏み切ります。みんなでポンっていながら両足で回ってみようね、という風にやらせるわけです。教師が全員見て、合格か不合格か見ていくわけです。絶対全員ここで合格させなきゃ次に進んではだめです。合格した子は、少し後ろから歩いてきて、両足踏切で回らせます。そうやって全員合格したらじゃあ次みんな行くぞって言ってですね、隣のグループとマットを重ねましょうって言って重ねさせるとちょっと高くなりますよね。その状態で後ろから両足踏切でポン、クルってその上で回るような感じでやらせます。両足でポンと踏み切れる前転ができる状態なんで、ちょっと高いところで2枚だからまぁそこまで高いわけじゃないんです。次に言うのっていうのは2枚2枚くっついてたところをまた重ねて4枚にさせるという状態ですね。4枚重なったところでクルクルクルクル回せる。列は長くなりますけれどもそれでもいいですよね。そうやってできるようになりました。じゃあ次は8枚だ!といってクラスで1つのマットですごい高さで包まれてるみたいな感じなりますよね。そうやってぐるぐるぐるぐる回るようになったら、跳び箱を出すわけです。ようやく跳び箱の低い段数でもできるぞっていう風になってるわけですね。

本当に低くて全然いいんです。その時にあくまでマットの上で回ってるって言うのと同じような感覚でやらせてあげたいので、あのいきなり跳び箱を飛ばせると怖いんですよね。細いから。あそこで回れるのか、みたいな恐怖感が出るんです。そこで、よくやるのは低い段数の跳び箱の上にマットを乗せてあげるんです。通称マグロとか呼んでるんですけど。そういうような場を作ってあげると子ども達は何か安心して回っていますよね。くるくるくるくる。できるようになったら徐々に恐怖をなくしていくためにマグロなしで回るみたいな感じです。

そうすると1時間でだいたい全員できるようになります。でも、できない子がやっぱりいます。少し高くてちょっと怖くなっちゃったとか。一緒に補助してあげながら何度も回るわけですね。そうするとできるようになります。ここまで来たら大事なのは回数。先生が補助してくれて低いところならいい形で回れたということを何度もやってあげれば大丈夫です。


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