自身の学習状況を見て、粘り強く学習に取り組める子を育てたい vol.1

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古典的名著である、『自己調整能力を育てる』を読みました。

AIドリルがどんどん開発され、個別最適な学びができる環境が整いつつあります。しかしここで大事なのは、あくまでそういったソフトは、学習の道具であるということです。これを子どもたちが、自分の学習方法の一つとして有効に活用していこう、という姿を目指して指導をしていく必要があると考えています。

というわけで、『自己調整能力を育てる』にあたりました。1980年の本ですが、大変現在に続く示唆をしっかりと与えてくれています。

1.内発的動機づけのための「効力感」

 原型は知的好奇心です。知的好奇心が高い人は、指示されなくても計画を立てて学習ができる、ということが考えられます。しかし、もともと算数への知的好奇心が低い子たちはどうしましょう。AIドリルがあっても、知的好奇心がなければ本人は有効に活用しようとはしないでしょう。

 そこで、大事なのが「効力感」を育てることです。キャロルドウェックが粘り強さの実験が有名です。頑張れる人たちに共通するマインドセットは、失敗=努力不足、成功=努力のたまもの、ととらえられる人たちだということです。

 ではそういったマインドセットはどう育成すればいいのでしょうか?昔の自分との競争が効果的である、ということをブルーナー研究事例から紹介されていました。また、到達度を決めて挑戦させることや、キャロルドウェックの再帰因法が紹介されています。簡単なものだけやらせておけば効力感が育つ、というのではなく、簡単なものの中に少し難しいものが入っていて間違えたとき「努力が足りなかったからだよ」とフィードバックされた方が効力感が育つ、というものです。

 これこそ教師の仕事なんだと思います。わかる、できる、を続けていき、できなかったときに、どういう声掛けができるか。そこで努力すればできるんだよ、というマインドセットを育成していくわけですね。

2.効力感を育てるには大人のかかわりが重要

 というわけで、効力感を育てることを大切にしたフィードバックを児童に繰り返し行うことの大切さがわかりました。

 もちろんわかる、できる、を目指した算数をしっかり単元の前半でやり、効力感を育てつつ、できない問題や壁にぶつかった時に、どういうフィードバックをするか、という所が重要なわけですね。

 次は、数年前話題になった『Grit』をもう一度読み直してみようと思っています。



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