四季と酒04:ほろ苦い「菜の花とグリーンピースのポテトサラダ」
ほろ苦いからこそおいしい春野菜。
桜のピンク色から新緑のグリーンへ季節が移ってくるこの頃。菜の花とグリーンピース(うすいえんどう)をたっぷり混ぜたポテトサラダはいかがでしょうか。
茹でて混ぜるだけなので超簡単。美しい春野菜の緑と、じゃがいもの薄黄のコントラストがとっても食卓に映えます。
材料
じゃがいも:中サイズ5個(大きかったら3個くらい)
菜の花:片手で束を掴めるくらい
グリーンピース:お茶碗に軽く一杯くらい
レモン:半個
リンゴ酢:スプーン2、3杯
オリーブオイル:スプーン2、3杯
マヨネーズ:にゅーっとチューブから出してボウル3〜4周ぶん
キャラウェイ:少々(あれば)
塩・胡椒:適量
※3日〜4日くらいで食べきれる量です。
作り方
1:じゃがいもを皮のまま、たっぷりの水から茹でます。
2:じゃがいもを茹でているあいだにグリーンピースをさやから出しておきます。
3:レモンは汁を絞り、皮は黄色い部分を薄く切り出して細かい千切りにします。
旨味が逃げないようにじゃがいもを茹でる時は皮付きで。沸騰したら中弱火でコトコト30分くらいで串がスッと入る柔らかさに茹だります。茹で時間が足りないと芋を潰す時に硬くて大変です。
4:菜の花は軸の端を切り落とし、丈が長いものは3〜4cm程度にざく切りにします。
5:別の鍋にお湯を沸かして塩少々を加え、菜の花は1分ほど、グリーンピースは8〜10分ほど茹でて、ザルにあけて水気を飛ばしておきます。冷めたら菜の花はよく水気を絞ってください。
菜の花は火が通りやすいので、茹で時間は1分ほど。ザルにあけておくあいだの余熱も考慮しています。グリーンピースは大きさによって柔らかくなるまで差があるため、たまにつまみ食いして柔らかさを確かめてください。
6:じゃがいもは熱いうちに皮をむき、マッシャーで潰します。塩、オリーブオイル、レモン汁を加えてよく混ぜ、芋に下味をつけます。
7:菜の花、グリーンピースをじゃがいもに加え、マヨネーズ、キャラウェイ、レモンの皮を加えてよく混ぜます。塩・胡椒で味を整えて完成。
過去記事でも触れていますが、味付けのほとんどをマヨネーズにしちゃうと、素材の味よりもマヨ味が勝ってしまうので、芋には軽く下味をつけておくといいです。
下味は「単体で食べるにはちょっと味が薄いかな〜」くらいで。
相性のいいお酒
まったりシルキーな芋、ほろ苦い春野菜に、レモンピールとキャラウェイの爽やかな香りがアクセント。
濁り酒とか相性よいです。ちなみにこの春、大関さんの「ワンカップ 純米にごり酒」にどハマりして飲みまくってました。近所のコンビニで見かけるたびに買ってた。
冬〜春の季節商品なのでもう終売してるんですが、コンビニで買える手頃さ、なのに純米、なのに200円ちょっとの価格、上等な飴みたいなきゅるんとした柔らかい甘み……。
はじめて飲んだ時あまりのおいしさに「は??ガチか????」と語彙力ゼロになりました。「ワンカップっておじさんが飲んでそう」というイメージを抱きがちな方々、これはすごいです。来シーズン買ってください。
あとは軽い口当たりの純米吟醸なんかも合いそうですね〜。ビールだったらよなよなエールさんの「水曜日のネコ」とか、ちょっと柑橘の香りがついた苦味の強くないものがいいと思います。
ちょっとしたコツ
菜の花は火が通りやすいので茹ですぎないように注意です。1分+余熱で充分火が通ります。
茹ですぎると色も悪くなるし、海外旅行の際、真夜中の機内食で出てくるクッタクタのブロッコリーみたいな食感になる……。
もちろん太くて立派な菜の花は茹で時間も長くとる必要があるのですが、たとえば茎から先に茹でて一呼吸置いてから葉や蕾部分を茹でるとか、抑揚をつけて茹でるといいですよ。
アレンジ案など
・食パンにチーズや目玉焼きと挟んでサンドイッチorホットサンドに。
・粉チーズを加えて衣をつけて揚げ、ポテトコロッケに。
・フライパンにうすく油を引いて、平べったく丸めたポテサラをこんがり焼いて「おやき」に。
シンプルな味付けなので応用が聞きます。カレーの副菜にするのも◎。
四季と酒の小話
この日も、何気なく豆をボウルに取り出していた。
豆を取り出した後のさやがふと気になった。さやを光に当ててみると、葉脈が伸び広がっているのに気づいた。まるで人間の血管みたいだ。
これは生き物みんなに張り巡らされた、命をつくる道筋。
食事は、いろんな道筋の果てに生まれ育った命を自分の血肉として取り込む行為。おいしい楽しい、がっつりいこう、今日はもう適当でいいや、どんなシチュエーションにも大前提としてそれがあることを改めて感じる。
春に身を肥やすグリーンピース、萌黄色の命をもりもり食べて、1日ずつ初夏へと向かっていくのだ。
編集したり書いたりお酒に合う料理をつくったりしています。
あだ名はおかんです。
お仕事のご相談などお気軽にごれんらくください。
編集者/ライター/料理人 ヒラヤマヤスコ(おかん)
info@hirayama-okan.com
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