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ミニトマトを手にした時に…

その日はいつもの様にスーパーの
ミニトマト前に立っていた。
週末の私の光景だ。

家族に持たすお弁当には
ミニトマトが不可欠だ。
茶系に偏ったお弁当に
彩りを添えてくれる。

そのため毎週末に
ミニトマトを買いに行く。

そしてその日、1パック手にした瞬間悲劇は起きた。

雪崩のように私の太もも目掛けて
20パック位が押し寄せてきたのだ。

そして更に追い打ちを掛け、数十秒後10パック位が落ちてきた。

もう身動きが取れない。

「ちょっと冗談でしょ!」と心の中でつぶやく。

1パックでも落としてしまったら
売り物にならないと言う考えが
脳裏をよぎる。

う〜ん、どうしょう…。
まずは店員さんを呼ぶしかない。

辺りを見渡すと、若い店員のお兄さんがいた。

「あ、あの〜スミマセン」
大声を出したせいで、周りの人の
注目を一斉に浴びる。

店員さんは、直ぐに気付き
小走りで私の側に駆け寄ってきた。

「どうしました?」

「あの、ミニトマトが流れてきて身動き取れないんです。」

直ぐに状況に気付いた店員さんは

「下に落ちても仕方ないですから…」
と即答、なんとも頼りになる言葉だ。

タイミングよく私の場所と入れ替わり落としたパックは1パック、少なく済んだのは幸いだった。

会釈をしてその場から立ち去るが、その時の開放感は何とも言い表せない。

その後一緒に買い物に来ていた娘が、のそのそ現れた。今までの経緯を話すと

「側に居なくて良かった〜」の一言。

「全く肝心な時にいないんだから…」と言って二人で笑いながらスーパーを後にした。




本日は長い話にお付き合い頂きありがとうございました。

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