見出し画像

「ティール組織」を読む④

今週1週間は「ティール組織−マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現(フレデリック・ラルー)」をあらためて読む。
 (今日は4日目。第Ⅱ部第5章〜第Ⅱ部第7章まで)
 全体性(ホールネス)を取り戻すための人事プロセスとして多元型組織として知られるザッポスを挙げている。新入社員研修の間で組織を離れる人に3,000ドルの小切手を渡し「就職が運命でないなら離れたほうが幸せ」と考えるそうだ。新入社員に対しても、人々が職場で「自分らしさ」をもっと出せるようになるための前提、基本ルール、価値観についての研修をする。
 進化型組織では価値観を浸透させるために日常業務に組み込まれるようなワークショップや研修プログラムを従業員が講師になって教えることに情熱を持っている。また自主経営組織には単一の仕事を持っているような社員はいなく、様々な役割を自分なりに組み合わせて兼務する。役職等がないため社員を一人の人間としてとらえる。
 会社の存在目的のために自分はどれだけの時間と情熱を喜んで注ぎ込めるかを一人ひとりの社員が自ら明確に選択できるような状況をつくることが重要だという。
 評価制度における問題は「判定」と「統制」の形式をとっていることにあるからとしている。「こうあるべき」と考える方向に強引に導こうとしがちだからだ。判定するのではなく、貢献をほめ、実績を認め、どこが求められている水準に足りないのかを心から問う場に変えられるという。「心から熱望していることはなにか」「世界に何を提供できるのか」「独自の才能はなにか」「何が障害になっているか」「どうすれば会社の中で自分らしくいられるか」
 進化型組織で重要なのは自己防衛ではなく存在目的だ。達成型組織では競争、勝利が大切となるが、進化型組織では自社の目的のために存在しているので競争は存在しない。パタゴニアが「このジャケットを買ってはいけない」という全面広告を出した。先進国に住む人々は一生暖かくしていられるだけの衣服を持っているのに新しい衣服を書い続けている。これらを生産することは有害で環境を害するだけだ。自社の存在目的が求めている道を選んだ結果だ。
 進化型組織には戦略立案プロセスは存在しない。特別なことはせず「感じ取る」。またマーケティングのアプローチとしては「正しい提案だ」と感じるうちからの声に耳を傾けるだけ。調査もフォーカス・グループもない。「これが私たちの提案です。今この瞬間に、これこそがおそらく、私たちにできるせいいっぱいのことです。お気に召していただけると良いのですが」というスタンス。予測や管理もせず状況を感じ取り、対応しようとする。トップダウンの目標も設定しない。
 自主経営の組織構造では、組織文化は誰から強制されることもなく、自然発生的に産まれるものだ。

(感じたこと)
・ただただ「自社の存在目的」に問いかける。それが自分の存在目的とどれだけ一致するか、そこに尽きると感じた。
・強く存在意義を問い続けているからこそ、周りがそれを察する、すると強制的とか意図的にではなく、真のフォロワーになってしまうということなのか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?