「ティール組織」を読む⑥
今週1週間は「ティール組織−マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現(フレデリック・ラルー)」をあらためて読んでいる。
(今日は6日目。第Ⅲ部第4章〜第Ⅲ部第5章)
進化型に至る前のすべての段階では人々をかき立てるのは外発的な動機。達成型組織では、成功は金、利益、地位によって測定されることが多い。しかし、進化型に移行すると人々は内発的動機で動く。
パイオニア組織のCEOたちが組織を初めたきっかけは結局、「これまでと違ったことをしたい」「自分の好きな環境で働きたい」「新しい職業感に従って活動したい」という本能に従った。自分の価値観に照らして正しいと感じられるかどうか。
◆進化型組織が画期的なパフォーマンスを引き起こす要因
①トップの数人ではなく全員が権限を握っているため組織としての力が何倍にもなる
②人々が自分らしさを失わずに職場に来るので権限の使い方に知恵が絞られている
③社員の権限と知恵が組織の生命力と一致するとなぜか物事がうまく運ぶ
◆より明確に賢くエネルギーを活用するには
①感じ取る力を磨く(どの社員も周りの現実を直接感じ取って得た知識に基づいて行動する)
②優れた意思決定を(同僚からの助言を得て適切な判断を下せる)
③数多くの意思決定を(トップに集中させず、数千もの判断がいつでもどこでもくだされる)
④タイムリーな意思決定を(上の許可を待たずにタイムリーにできる)
⑤存在目的に照らすことを
最後の章ではピーター・ドラッカーの言葉を引用していた
未来についてわかっている唯一のこと、それは現在とは違うということだ。未来を予測しようとすることは、夜中にライトをつけず、後ろを見ながら田舎道を運転するようなものだ。未来を予測する最善の方法は、それをつくることである。
ピーター・ドラッカー
各組織の今の姿は未来の世界がどうなるかを垣間見せてくれる。しかし、未来について分かっている唯一のこと、それは現在とは違うということ。しかしながら、著者は未来について以下のように見ている。
①ゼロ成長、循環型経済(経済成長のない世界、限られた資源では無限の成長をまかなえない)
②大量消費の見直し(節操のない大量消費)
③既存事業の再生(新しい世界観において既存産業が変容する)
④金融システムの変化(経済成長率がゼロの時代)
⑤管理責任(「所有」概念の変化)
⑥グローバル・コミュニティ(エネルギー備蓄を使い果たした後)
⑦知っている仕事の終焉(仕事の破壊と創造の波)
⑧革命的な民主主義(人々が世界に何を求めているかという民主主義から世界が求めているものに耳を傾けるように)
⑨精神的な多幸感の再現(非宗教的な精神性)
⑩崩壊か段階的な移行か(状況がいかに切迫しているかを把握し損ねてしまいがち)
そして、株主のあり方が変わる。営利事業と非営利事業の区分が明確でなくなり現在の株主と寄付者ではなく、管理責任所有権者を抱えることになると著者はいう。
最後に、マーガレット・ウィートリー&マイロン・ケルナー=ロジャーズの言葉を借りてこう締めていた。
もし私たちが、人間性にあふれた世界に存在することができれば、一体なにを実現できるだろう?
(感じたこと)
・自分の価値観(何を正しいと感じるか、何のためなら頑張れるのか)と会社の価値観、あらためて照らし合わせてみよう
・加速度的に進化する世界に恐れるのではなく、自ら作れる部分を探そう
・自分のためだけを考えるのではなく世界のためを考えることは結局、自分のためを考えることだ
・感じ取る力を磨きたい(共感や居心地の良さだけを求めるのではなく違和感やネガティブな気持ちも大切にし、そこから逃れようとするだけでなく、自分を知る瞬間だと考えるようにしよう)
※あくまで個人的に読んだ上での感想です。
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