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「人生経験が豊富」って何?

大体、2008年頃からだと思うんだけど、
ここらへんの感覚になって、
徐々に行動し始めて3年くらいあったから、
定かな年は言えない。

で、これが、
年齢的なものなのか、
時代的なものなのか、
集合意識の一欠片の僕では
わからない。

「狭い日本、そんなに急いでどこ行くの?」
なんて標語、なかったっけ?

「日本は狭い」
そういう概念で育ってきた。

でも、
ふと氣になりだしたんだ。

日本は
どのくらい狭いのかな?
そして、
どれくらい広いのかな?

実感が欲しくなり、
実感が乏しい現実を生きていることに
気づいたわけだ。

そして、
「歩いたら
どのくらい遠くまで行けるんだろう?」

こんな疑問が湧き始め、考えてみる。

江戸時代はもちろん車もなく、
参勤交代やら、幕末やら、
歴史を見たら、みんな歩いて移動していた。

車や、電車や飛行機があるのを前提に
生きてきた僕らは
本当の距離感がわからない。

なので、
歩いて旅してみることにした。

千葉から利根川を渡り、
ゴルフ場に忍び込んで寝る。

歩いても歩いても霞ヶ浦・・・。

湖の向こうから雨雲がやってくる。
1日に数本しかないバスが向こうからやって来る。

乗る。

すげー進む!

街のリサイクル屋さんで
ママチャリを2000円で購入。

チャリの歩幅が、
僕には馴染んだ。

優柔不断な僕は、
徒歩だと、引き返すのが大変だったから。

町に出て、
どこか店で食事しようと思って、
1件通り過ぎて、
もっと美味しそうなお店探したんだけど、
あの店で、町は終わりだったのかぁ!

なんてことがしばしばあった。

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そんなこんなで、
自由なチャリ旅の夏を過ごし、
1年後か2年後に、
東京のアパートを引き払い、
西へ西へ。

鹿児島、屋久島まで行くことになる。

*************

そう、それで、
僕は「実感のある人生を送りたい」ってのと、
「音楽家として身を成したい」っていう
二つの欲望があったんだ。

だから、
「身の程ツアー〜チャリとテントでどこまでも〜」
と名前をつけて自転車をこいで、
縁を繋いでもらって、
ライブをさせてもらったり、
ご馳走してもらったり、
泊めてもらったり。

知り合った、名古屋の写真家さんに、
言われるままにポーズをとって
撮ってもらった写真です。

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しかし、
僕はどうしても、
「すごいことやってますアピール」が
恥ずかしかった。

もっとすごいことやってる人、
世界中にたくさんいるし、
音楽だって、
もっと優れた演奏する人
たくさんいる。

旅の後半、
屋久島からの帰り道は、
せっかく行きの旅で知り合った
ご縁を頼って、再会を果たしながら、
ライブもしっかりさせていただく
機会も増えたのに、
早く帰って、ひきこもって
音楽を勉強したい僕と、
旅の経験を積んでいる自分が
コンフリクトして、
実際の人間関係まで
台無しにして、
甘えるくせに感謝できない、
最悪な人間になって
トラブルを起こしたりした。

「旅をして頑張っている人」という
ウリが、自分自身、嫌になっていた。

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総じて、今、
何か自己主張して、
「自分はどんな人か」と、
サムネイルを付ける行為は、
どんどん苦手になって、
ひとことで片付かないめんどくさい人
になっている、もしくは、
あまり主張しない大人しい人に
なっています。

「人生、いろいろ経験した方がいい」
などと、
知ったような口を聞く人がいますが、
そんなの好きにさせてください。

「人生経験が豊富」って
どんなことをしたら
豊富になって、
どんなことをしていなかったら
貧弱になるんですか?

人生の「勝者」とか「敗者」とか。

自分のことを「敗者」だなんて、
どこを見上げて言っているんですか?

価値を主張するあなたは
どこを見上げさせようとしているんですか?

見上げている、あなたの感覚は
あなただけのもの。

そこに気づいて、
ニヤッと
苦笑いすればいい。

そして、今いるところを
見渡してみるといい。

フラットに生きられる社会が
出来る準備は
着々と整ってきているように
自分自身を見て思う。

こんな自分自身を響かせて、
出会うみんなと、
豊かな時代を築いていけたらと
想うのです。

うたが、音が、言葉が、 もし心に響いてくれたなら サポートいただけたら嬉しいです。