映画「ルックバック」を観てきた②
そういえば、
僕は
「漫画家になりたい!
よし、漫画を描こう!」
と、
小学4年生の頃に、
わずかだけ試みたことがありました。
でも・・・
本当に描けなかった。
絵が描けない。コマが描けない。
構図が想い描けない・・・。
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諦めて、
「小説家になってみよう」
そう決断し、
物語を考えました。
まったく
独創的な、壮大な物語が
思い浮かばず挫折。
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そうだ!詩を描こう。
「詩」は句読点とか、段落とか
考えなくていい。と
小学校の時に習ったな。
そういえば「日記」の宿題も
提出しなきゃいけないから嫌だったんだ。
誰にも見せない、
毎日書かなきゃいけないとかの
ルールは要らない、
自分のために
「日記」とも「詩」とも呼ばず、
自由な言葉のノートを描こう!
と、
中学生のある日、
思いついて、
大学ノートを買って、
書き始めたのでした。
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その時には、
すでに、もし出来るようになったら、
ギターを弾いて、歌えば、
社会という表舞台に現わせる「表現」
として、成り立たせられるかもしれない。
そんな幼き算段は
不詳ながらありました。
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小学生の頃から
漫画や絵を描き始め、
15歳、17歳くらいになった今、
ものすごいクリティで描けている
友人のミュージシャンの息子、娘を
知っている。
幼かった少年、少女が、
才能豊かな「大人」になっていく姿を
遠くから見届けている。
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彼、彼女が
映画「ルックバック」を見に行ったと、
SNSで知った僕の奥さんから聞いた。
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僕は絵を描く入り口にも立てなかった。
「絵を描く」ということが
今で言う「成績の良いこと」だったら、
僕は劣等生である。
でも、
「絵を描く」という行為は
「成績」や「社会的成功」へと
評価されるものではない。
仮に「漫画家」という「職業」を得て、
社会的成功を収められる社会構図があっても、
「そこ」が旨味ではない。
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だから
「絵が描けない」という自分は
それほどコンプレックスにはなっていない。
そのくせ
自分の音楽が評価されないという現実は
けっこうなコンプレックスになっている。
笑える。
絵なんか描けなくても生きていける。
音楽なんて出来なくたって生きていける。
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そんなフラットな(?)視点で
絵を描く人たちを眺め、
作品を眺める。
何を求めて、
ひたすら時間を費やして
絵を描くんだろう?
漫画を描くんだろう?
評価を得られた「成功体験」があるのかな?
少年少女は
様々な経験に対して、
移り気に、夢中になって時を過ごす。
様々な少年少女期の「ブーム」を
無邪気に経験する。
そこで僕らは
一人ひとり、
何かそれぞれ「違うもの」を
得ることになる。
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大人になって
反映されることもあれば、
忘却の彼方へ消えていっていることも
あるだろう。
消えかかった「それ」が
ある時、大きな存在となって
蘇るかもしれない。
忘れていたことを
思い出すかもしれない。
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人生が過ぎていく。
時代が過ぎていく。
その過程の今、
僕たちは「大人」として、
はたまた「少年少女」として、
老人として、
中年として、青年として、
今日の「此処」に立っている。
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漫画を描いていた彼は、
そんな青春で
よかったのだろうか?
「変なやつ」と
後ろ指を指されながらも
平気だったのだろうか?
それとも、
漫画も人生経験も、
適切にこなし、
様々なもの、コトに恵まれながら、
才能豊かな作品を
創り出す機会に
恵まれた人生なのだろうか?
「変なやつ」が
平気な人もいれば、
「変なやつ」が
耐えきれない人もいる。
全然自分が「変」だとは思わなかったり、
反動で「周りはバカばっかだ」と、
孤独に苛まれるかもしれない。
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どんな人生が、運命が、
天から与えられていようと、
人は人生で、様々な経験をして、
唯一の人生を全うすることになる。
長ければ良いわけでもなく、
短いから不幸なわけでもない。
長い人生で
ずっと華やかでいられるわけもなく、
ずっと「何も得られない」なんてことは
絶対にない。
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「たら」も「れば」もない。
せずにはいられないことをして、
せねばならぬことをしなかった。
もう、どうにもならない。
どうにも出来ない。
一人ひとり、運命が違う。
人生が違う。役割が違う。適性が違う。
感受性が違う。行動力が違う。
それが今、共に
この世界に現れている。
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人生が過ぎていく。
時代が過ぎていく。
その過程の今、
僕たちは「大人」として、
はたまた「少年少女」として、
老人として、
中年として、青年として、
今日の「此処」に立っている。
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