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20240216 稽古の場所と方便

演劇の稽古をするときに、ダンスや演劇向けの専門のスタジオを使うことも稀にはあれど、基本的には公民館的な公の施設を利用することが多い。東京だと区によってそれぞれ特徴があって、予約の方法や料金、立地や施設の感じなんかもそれぞれの区の特徴が出たりしておもしろい。

▼小劇場だと往々にして公演に向けて衣装や道具などを運びながらそうした各地の稽古場を転々としながら稽古をするので「稽古場ジプシー」といったりもする。道具や衣装などのものを置きっぱなしにしながら1日に何時間でも自由に使うことのできる稽古場というのは本当に贅沢なものだと思う。

▼各地の公民館に行ってみると、そこそこの確率で日に焼けたすこし古ぼけた書体の「演劇の稽古禁止!!」という張り紙がしてあるのを見つけることがある。これまでの先達の方達がたとえば大声を出したり、大勢で踊ったり叫び声をあげたりなんかして、施設の利用者の方々に迷惑をかけてきたのかなぁと思うとなんだか申し訳ない気持ちになる。

▼またこれも小劇場あるあるとして、正面から「演劇の稽古です」と申請すると利用させてもらえないこともあったりして、そういう場合には「体力づくり」や「趣味・教養」「会議」という名目にして申し込むこともあったりする。団体名も劇団名そのままでは何かとさしさわるので、世を忍ぶ仮の団体名を持っていたりすることもある。

▼他の利用者や施設の方々に迷惑をかけないことを最低限のマナーだとすれば、そこで行われていることが演劇の稽古であっても体力づくりであっても、趣味教養でも会議でも、実際のところ大差はないのかなと思ったりもする。誰かに「お前のやっているそれは演劇ではなくて体力づくりだ!」と言われれば、あえて言い返すこともできないような気もする。

▼たまにうっかり大声で台詞を喋ったりしたときに、受付で「あなたたち演劇してませんか?」と訝しげに聞かれることがある。そういうときには「声を使ったワークアウトで体力づくりをしています」と答えることにしている。やや苦しいが、あながち間違いだとも言い切れない。

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