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金利が1%上がると住宅ローンの支払額はどれだけ増えるのか?

日銀が長期金利の許容幅を従来の-0.25%~+0.25%から-0.5%~+0.5%への拡大を発表しました。簡単に言うと利上げです。
このことで新聞などでは住宅ローンの固定金利が上がることが話題になっています。なお変動金利は短期金利と連動するので、現時点では影響ありません。しかし世界的に利上げが進められている状況を考えると黒田総裁が任期満了する来年4月8日以降は方針転換という可能性が高いと思われます。

住宅ローンを抱えている方は自分の元金(借りたお金)と返済額(利子含めて支払うお金)がどれだけ差があるのか何となく分かっているかと思います。しかし、金利が上がるとどれだけ返済額が増えるのかを見てみましょう。

条件として元金3000万円、返済期間35年、全期間固定でボーナスでの返済無いということで考えます。
金利は4種類で計算してみました。まずは現在の変動金利で借りた場合の相場0.5%。変動金利で借りて返済期間中にずっと変動が無かった場合はこれに該当します。それ以外では35年間固定金利であるフラット35の現在の金利である1.5%。そしてリーマンショック前の近年で一番住宅ローン金利が高かった2009年当時のフラット35の金利である3%。そして現在のアメリカの固定金利である7%です。

こうして見るとかなりの差があることが分かります。0.5%の場合は返済期間が35年でも利子額が270万円程度と大したことないと思われがちですが、1.5%へ1%上がると利子額が約590万円も増えます。
2009年当時の3%でも利子額1800万円を超えかなりのインパクトですが、7%になると利子額は驚きの5000万円オーバーです。なんと返済額が元本の約2.7倍まで膨らみます。もはや銀行のために日々働いているくらいの感じですね・・。
月々の返済額も78,000円と190,000円では家計に対する負担も全く違いますね。1Kと4LDKくらいの違いがあります・・。
なお、住宅ローンの支払いは利子が高いほど返済額の中で元金が占める割合が低くなり、当初は元金がなかなか減らず、借入金利が増えるほど累進的に1%当たりの利子額は高くなります。

これまでの日銀の政策や日本の経済の状況を考えると急に5%や7%になるとは考えにくいですが、アメリカは1年程度で3%⇒7%まで上がっているの絶対にありえないとは言い切れません。日本のバブル期もそれくらい利子は高かったです。

長い期間、超低金利の慣れた日本人は利上げのインパクトに耐えられるのかが不安です。デフレマインドならぬ超低金利マインドになっており、今後も継続的に利上げが進むのであれば消費に与える影響は大きくなることが懸念されます。

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