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タクシードライバーの若年化が今後進む?

先日都内でお客さんと一緒にタクシードライバーに乗った際、ドライバーがとても若いことに気が付きました。年齢を聞くと23歳。同僚でも若いドライバーは増えてきているとのことです。
タクシードライバーは若者が少なく高齢化が進んでいた印象がありました。数年前にある地方のタクシードライバーから聞いた話によると所属している会社の3分の2は年金受給者ということでした。

実際のところどうなのか気になっての調べてみました。

一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会が令和5年3月に発表した「定時制乗務員数・新卒者乗務員採用状況」によると、全国のタクシードライバーは33,237人。そのうち65歳以上の割合は以下です。
・65歳~69歳:7,009人(21.1%)
・70歳~74歳:13,604人(40.9%)
・75歳以上:7,876人(23.7%)
何と65歳以上の比率が85.7%を占めています。3分の2が年金受給者と言っていたのが納得です。
一方で29歳以下のドライバーは全国で95名しか居ません。比率にするとたったの0.29%です。

またこの資料には新卒採用の数字も出ていました。新卒採用は全国で1068名。そのうち799名が東京のタクシー会社です。現在の東京のタクシードライバーは6920名です。新卒採用者全員がドライバーになる訳ではないでしょうが。現在のドライバー人数を考えるとかなりの人数を採用していることが分かります。

また東洋経済新報社の資料を見ると新卒採用者は年々増加傾向にあることが分かります。

出典:東洋経済新報社

以前と比較して若者のタクシードライバーが増加している背景には待遇が改善していることがあると考えられます。インバウンドの観光客が増加したことや、配車アプリで稼働が上がっているため以前と比べて給与水準が上がっているのかもしれません。
最大手である日本交通の採用ページを見ると新卒平均年収が430万円となっており、なかなかの水準です。また月の出勤日数は11~13日となっており、一回の労働時間は長いものの、休日が多い趣味を充実させたいという人には都合が良さそうです。

2024年問題で労働時間が短縮化され、物流ドライバーの賃金が上がりにくい状況の中、運転好きの若者はタクシー業界に移籍する流れがあります。
まだまだ新卒を積極的に採用しているのは都市部に限られていますが、今後インバウンドが更に増加し収入面の水準が上がれば、更に若者のタクシードライバーは増えてくるのではないでしょうか。

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