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問題点が風景になっていませんか?

ところで皆さん、自分の腕時計の文字盤の絵を描けますか?

以前はよく研修などで、腕時計を外してもらった状態で自分の腕時計の絵を描いてくださいという演習をしていました(最近は腕時計をしていない人が増えたのであまりやりませんが・・)。
腕時計をしている人なら一日何度も見ているはずなのに、多くの方が正確にかけません。文字盤は数字なのか、ローマ数字なのか、それともただの棒なのか、そのようなことすら認識していないことが多いのです。

先日ある会社に訪問した際、エレベーターホールに『“節電” 人が居ない時は照明を消してください』という貼り紙がありました。エレベーターホールの横でミーティングをしている間、そこには誰も居なかったのですが、照明が消されることはありません。気になって帰り際に、「照明消さないのですか?」と聞いてみると、ある人は消すスイッチがどこにあるのか分かりませんと言い、別な人はその貼り紙に気づいてもいませんでした。
また、その数日後、別な会社を訪問した際に、日に焼けて変色した紙が貼ってあり、そこには『昼には一度帰社して報連相をする』『直行直帰は認めない』という昭和テイスト溢れる内容が記載されていました。その会社は生産性を高めるために色んな取り組みをしており、無駄な行動を極力排除しています。むしろ直行直帰を推奨していますし、昼に帰っても報告する相手も居ません。指摘すると経営者はハッとしてすぐにその貼り紙を撤去しました。

そんなことある?と思われるかもしれませんが、こういうことはよくあります。ちなみに名誉のために言っていきますが、どちらも会社も優良企業で経営者も人間的に素晴らしい方です。特別大きな問題を抱えている会社でもありません。
そんな会社でも時折このようなことがあるものです。

自分の会社や自宅のようないつも居る場所ほど、色んなものが“風景”になってしまっており、問題に気づきにくくなっているものです。
しかしこれが、ちょっとした貼り紙であれば大きな問題にならなくても、例えば製造現場のようなちょっとした問題が大きな事故に繋がるような場所で同じようなことが起きていないとも限りません。

ぼやっと見えている自分の身の回りの風景にピントを合わせ、違和感にフォーカスすることで、見えていなかったことが見えてくるものです。この気づきの力が問題解決のきっかけになります。
気になったら職場の中を集中して見てみてください。きっと風景になり今まで見えなかったものが見えてくると思います。

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