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センスというもの

「ダンスにはセンスが必要ですか?」と聞かれます。
私は「はい」と答えます。

すると「センスが無い人はダンスは出来ないのですか?」と聞かれます。
私は「いいえ」と答えます。

「何故ですか?」と聞かれたらこう答えます。

「みんなセンスがあるからです」


センスは誰にでもある。これは私の持論です。センスの意味を調べると以下のように出てきます。

物事の微妙な感じをさとる心の動き。微妙な感覚。

私はセンスを「感じる力」と捉えています。音を感じる、光を感じる、熱を感じる、気配を感じる、等々。はじめから人にそなわっている能力です。ただそれに気づかない人が多いのです。

私が仕事でダンスをしていると言うと「センスがあるんですね」と言われます。けど私は生来のダンサーではないし、学生時代は野球、水泳、剣道、ラグビーと音楽やダンスとは無関係の活動をしていました。ダンスは大学から、センスを養うには一般的には遅すぎるぐらいの時期です。

そんな私がセンスがあると言われるのです。それなら誰でもセンスがあるのではないかと思うようになりました。

そこから「センスとは何か」探しが始まりました。「センスがない」と根拠のない言葉に嘆いてダンスを辞めてしまう人をなくしたかった。

そして、ある法則みたいなものが見えてきました。

①センスは考えるとなくなる。

これは思考が身体の感覚を鈍らせるというところからきています。ダンスで例えると、ステップのことや注意点ばかり考えると、流れている音楽が聴こえなくなったり、今組んでいる相手の存在を感じなくなったりしてしまいます。これではセンスあるダンスを楽しむことなどできません。センスは「考えること」ではなく「感じること」。この場合、センスあるダンスにするには「感じる要素」である「音楽」と「相手の存在」に注目するのです。

②センスの良し悪しは両方とも「センス有り」。

センスは人それぞれ好みがあります。Aさんから「センスが良いね」と言われても、Bさんからは「センス悪いよ」と言われることもあります。これは好みの問題で、センスがあることの証明です。もしセンスがなければコメントすらないからです。もっと悪くいうと、興味がない、関心がない、存在を認識されない、ということです。これは観てもらうことを目的の一つとするダンスではとても恐ろしいことです。そう考えると、センスが悪いと非難されることは「センスがある」ことの証明なのです。もちろん、センスが良いもそうです。

私はレッスンでこれらのことを生徒に伝えています。「ダンスにセンスは必要です。そしてあなたにはセンスがあります。」その証明をレッスンで行っています。

ダンスに限らず、物事にはセンスが必要だと思います。けど、全て自分にそなわっている機能だと思えることができれば、自分と向き合うことが大事と気づくでしょう。

これから新しいことを始めようとしている方。大丈夫です、あなたにはセンスがあります。最初は大変だと思いますが、センスを出せるよう楽しみながら続けてくださいね。

拙文、読んでいただきありがとうございました。

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