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「店長を出せ!」というクレームを自分のところで止める方法

大手カメラ販売員時代、たまに遭遇した出来事。

それは「店長を出せ!」と怒りMAXで店頭に現れたお客様。
私が怒らせたわけではない。
私が怒らせた場合はほぼなかった。

ただ、とにかく怒り狂ったお客様に、たまたま目の前にいたのが私だったということ。

お客様の怒りというのは、ときに理不尽な場合もある。
大した理由でない場合もある。
だが、そこは重大ではない。
そして、そこをつついてはならない。
絶対に。

そこを言ってしまうと
「こいつでは話しにならない」と
クレームの矛先が次の人、もしくは
席次が高い人に移るだけだ。

そこは絶対に触れない。つつかない。

こういう、怒りMAXのお客様に当たった場合、
とにかくそのご縁に感謝して、ひたすら聞く耳を傾ける。
目の前のことをすべて投げ出して、その方に100%意識を集中する。
ほかの仕事の処理はあきらめる。
ほかのお客さんの接客はあきらめる。
そのお客様に対する、ほかの定員のやり取り、対処法に対して、
その方は怒っている。
だから、こちらの店員の対処法を、1ミリたりとも正当化しない。
たとえ一言たりとも言い返さない、ばかりか、言い訳をしない。
とにかく、ひたすら聞いて、聞いて、聞いて、謝り倒す。
こちらの意見は決して言わない。ひとこと言えば、それでゲームオーバー。

全面降伏する。その姿勢を続けていると、お客様は
「ほかの人間を出せ」とは決して言わなくなる。
職位とか席次とか責任とか、いっさい関係がない。

そして、多くの場合、お客様は特に何も求めず、そのまま帰っていく。
たいていの不満は、ひたすら傾聴することで、氷解していく。



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