見出し画像

継続か三日坊主か:感情を相手にしてみると分かること【エッセイ】

 私はお酒に弱い。ビールをコップ一杯飲んだだけでも、顔も体も真っ赤になって痒くなる。コップ二杯以上飲めば片頭痛がして、その夜と翌日はもだえ苦しむことになる。

 20代から何度も同じ失敗を繰り返してきた。お酒を飲むと頭痛がするからやめておこうかなと思っても、飲み会へ行くとついついお酒を注文してしまう。飲んているときは楽しいのだ。目の前の誘惑に勝てなかった。そして帰宅後に、一人で頭痛に苦しんでいた。

 最近は飲み会というものにほぼ行かなくなった。スーパーでも、お酒コーナーには近づかない。自分の衝動性を自覚して避けている。久しぶりに飲みたいなぁと思っても、顔や体の赤さや痒さ、ひどい片頭痛を想像して感じると、やめておこうとあまり無理に我慢することなく避けることができる。

 頭で考えるだけでは辞められなかったことでも、経験を通して十分に嫌な感情を感じると辞めらようになるのかもしれない。この場合、飲酒後の不快な症状を繰り返し感じることで、飲まないでおこうと行動に移せた。何かをやると嫌な気持ちになる体験は、それを継続しないことに役立てることができる。
 そして面白いのは、経験を通して感情を感じることは、逆に何かをやり続けるということにも役立つということだ。何かを経験して、嬉しいとか楽しいという感情を感じ続けることは行動の強化に繋がる。例えばnoteの記事に「いいね」がつけば嬉しい。嬉しいと、また書きたくなるといった風に。

 行動とそれに伴う感情というのは、毎日、毎日、私達が体験していることだ。どんな行動に、どんな感情を感じているだろう。それらの感情から、どのような行動が強化され、どのような行動が三日坊主になるだろう。少し気にするだけでも、私達の習慣や行動の選択が変わってくるかもしれない。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?