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テストプレイ会のレポート

10月22日にタニタハウジングウェアにて「アラカワスイモンバン」のテストプレイ会を実施しました。制作の備忘録を残しておきます。

再度取材していただきました

前回の取材から立て続けですが、今回もJ:COMさんが取材してくれました。今回は、地域ボードゲーム会全体ではなく、治水を学べるゲームを開発中という観点を中心に放送してくれました。ありがとうございます。

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このテストプレイは今後たびたび実施されるであろうテストの一環で、これですぐ完成するわけじゃない。でも、端材を提供してくれているタニタハウジングウェアさんに進捗報告する意味もあり、実施しました。


テストプレイ実施後の反省点

テストプレイの反省、いろいろあるのですが、まずは口頭での説明がだいぶ下手だった。自分で事前に整理していったのですが「何がプレイの中心か」「どんな背景か」ということに重きを置き過ぎて、具体的な進行プロセスでいくつか誤解を招いてしまったのは失敗でした。

具体的に本作においては、(1)雨水を受け取り、自分がもつ水を川に流す手順と、(2)川の流れで水を受け渡す時の経路について、もっと丁寧に説明すべきだったと思いました。

今後のために一般化すると……直感的なルールと、恣意的なルールを整理することはもちろん、その上で、直感と恣意がまじわる部分は特に意識的に整理して伝えることが大切だということ。

たとえば、川の上流から下流に水が流れるって話は直感的でわかりやすい。ところが、自分の下流となる相手が2人いて、2方向に水を渡せる部分はゲーム設計の都合、恣意的な設定です。現実にも川の分岐はあるけれど、川の流れと言われて直感的に浮かぶのは一本筋でしょうから。人は直感的にわかったと感じるとハイハイ!って勢いで処理したくなるので、恣意的な部分を丁寧に伝えるべきでした。もちろん、ビジュアルデザインでの分かりやすさ改善もふくめ、次回への改善点です。

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夢中になれる「衝動」の発見

テストプレイで反省でもあり、収穫でもある点は、このゲームの中心となる水(金属円盤)を貼る作業に対する気づき。

このゲームで各プレイヤーは、自分の建屋に磁石の力でぎりぎりくっついている円盤群へ、さらなる円盤をくっつけていきます。ここは、物理的なバランスゲームの楽しさと緊張を味わえる部分です。
テストプレイでも円盤の落下音が聞こえるたびに、落胆と笑い、緊張がとける空気が生じ、そこは思い通りに楽しんでもらえたという感触でした。

この貼りつけ作業の一歩手前。上流や雨から金属円盤を受け取って「いったん手元に置いておく」という処理では、自分が想像していなかったことが発生。円盤を受け取っても、すぐに貼らず、次のタイミングまで置いておくルールなんですが何度説明しても、受け取ってすぐ貼る人が続出しました。

たぶん「水(金属円盤)をうまく貼らなくちゃ」作業に意識を強く向けているからこそ、つい、すっ飛ばしてしまう。指摘を受けて一度修正しても、ふとしたときに、またすっ飛ばしてしまう。
今回のゲーム設計だとそれはプレイヤーの失敗だけど、むしろ、そっちが自然な動作だったんでしょうね。しかも、夢中になっている状態を維持できる効果もありそう。今後、それらも考慮して手順を変更したいと思います。

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板橋区内に、レーザーカッターや3Dプリンターを使って何かを作ったり届けたりしています。また、そうした道具を使える人を増やしたいという思いで、講座などもちょいちょい開催しています。サポートいただけた場合は、こうした機材費や会場費などに利用させていただきます。