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河川事務所で治水ボードゲーム「アラカワスイモンバン」テストプレイ会

ひさびさの進捗報告です! 治水ボードゲーム「アラカワスイモンバン」で前回のテストプレイが2021年10月。ずいぶんと間が空いてしまいました。自分の仕事が忙しくてなかなか手が回せませんでしたが、今回はちょっとずつアップデートしていた「アラカワスイモンバン」の改良版が完成。
ふたたび、荒川下流河川事務所におじゃまして、職員の皆さんに最新の「アラカワスイモンバン」を体験していただきました。

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荒川下流河川事務所です。この日、くもり空で写真はどんよりしましたが、肉眼だともうちょっと明るい雰囲気で。いつもながら、赤門と青門、そして芝生がきれいでした。

前回よりもたくさんの職員さんに参加いただくことができたので、改めて「アラカワスイモンバン」の主旨を説明させてもらいました。

防災学習においては、どうしても「こうなったら怖いよね」という脅しのコミュニケーションが中心になりがちです。それはもちろん大切かつ必要なことですが、別のアプローチもあってほしい。たとえば、単純に遊んで楽しむことで、治水について「そういう仕事があるんだ、みんなを守る仕事なんだね」という感覚を持ち帰ってもらえる学び方。そんなアプローチの実現のため、治水ボードゲーム「アラカワスイモンバン」を開発しています。


新作「水門ジャンケン」がデビュー!

実は今回、これまで進めてきた「アラカワスイモンバン」の他に、新しいゲームを1つ追加して持っていきました。それが、すぐ遊べて、すぐ終わる、「水門ジャンケン」です。

ルールの基本は、漫画「カイジ」に出てくる「限定ジャンケン」のように、限られた手札でジャンケンするだけ。でも、水門の上流から下流への順列を表す数字が併記されているので「あいこ」の場合はこの数で勝負します。
さらに数でも引き分け(=同じカード)な場合は、「スイモン!」の掛け声で、すばやく「水門ポーズ」をした人が勝利です。説明が1分で終わるライトゲームです。小学校低学年でも遊べます。

このゲームは、プレイ体験と治水の仕事内容の関連がだいぶ薄いのですが、わりと遊べる人数の幅が広く、ゲームサイクルが短時間です。本命の「アラカワスイモンバン」が5人プレイで30分程度を考えているので、イベントなどのプレイ現場では、「水門ジャンケン」が参加者の人数緩衝に役立ち、かつ、なんとなく水門の写真と説明で楽しんでもらえることを狙います。


アラカワスイモンバンで大盛り上がり!

さて、水門ジャンケンの体験はそこそこに、本日のメインである「アラカワスイモンバン」のテストプレイを開始。

前回の10月のテストプレイで気づいた反省点をふまえ、ルールを一部シンプル化しました。

ルールを簡略化する一方で、ゲームのマップや水門の配置を現実の荒川下流域にあわせた内容に変更。これによって、自分たちの知っている流域のまち(板橋区はもちろん北区、墨田区、荒川区、江戸川区ほか)に水害がおそいかかる感じが強まり、ゲームのストーリー性が高まりました。
この地元感というか、自分たちがゲーム内に包含された感じになったときのプレイヤーの盛り上がりは、地域ボードゲームの醍醐味と言えます。

ゲーム内では、流域にある2つの水門の開閉がプレイのカギ。協力プレイのゲームなので、みんなで相談して開閉を決めていきます。河川事務所の人たちの会話がとてもプロらしい空気で、カッコよかったです!

ゲーム中で、プレイヤーたちの中心的な作業は「磁石に金属円盤を落とさずに貼りつけていく」という物理バランスゲーム的なもの。円盤は雨水を表現し、その落下は「水害発生」として、まちの建物が失われていきます。

「カラン!」と円盤が落下音がひびくたびに、落胆の声と笑い声がひびき、とても盛り上がりました。限界まで貼られた円盤を見て「無理だ……」とつぶやく職員さん。河川事務所の人のセリフだけに漂う絶望感がすごい。

そのほか、「もう、こうなったら(ピー)は(ピー)してもいいでしょ」といった、河川事務所の人が言ってはいけないであろうセリフも飛び出しましたが、あくまでそれはボードゲーム上の話。日々、全身全霊をかけて、まちを守ってくれている皆さんの息抜きになったのであれば幸いです。

今後に向けた動きは?

ゲームとしては、まだ少し複雑に感じさせる部分も残っているのですが、ゲーム体験として「水門の役割や仕事を感じてもらう」という目的からは、いったん現状の内容でまとめてしまおうと思っています。

そこで今後は、イベント自体を開いていく努力や、いっしょに活動してくれる仲間を増やしていくことなどに注力したいと思います。

今後も報告をいれていきますので、ぜひご注目ください!


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板橋区内に、レーザーカッターや3Dプリンターを使って何かを作ったり届けたりしています。また、そうした道具を使える人を増やしたいという思いで、講座などもちょいちょい開催しています。サポートいただけた場合は、こうした機材費や会場費などに利用させていただきます。