![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40264817/rectangle_large_type_2_16c86836e0047e8dd014e1106a6e1a54.jpeg?width=800)
いま抱えている苦しい思いなどすべて糧にして未来へ
みなさんにとって2020年はどんな年でしたでしょうか。
私はしんどかったです。子どものこと、私自身のこと、それにまつわるさまざまなことが。
でもそんな中で見えてきたこともあります。
お子の暮らす児童養護施設へ泊まりに行ってきた
11月末、お子が暮らす児童養護施設へ泊まりに行ってきました。「内泊」といって親子がともに日常生活を送るための訓練です。「親子訓練室」という親子で過ごせる部屋が施設内にあるのです。
私はこの日お子の顔を見て心から安心しました。なぜなら、お子がとてもうれしそうだったから。私が泊まりに来るのを楽しみにしていたのだと心からうれしかったです。
到着してすぐに親子訓練室で二人で昼食を食べました。お子はしゃべってばかりで、あまりご飯を食べません。「~したらどうする?」というのが今の口癖のようで、「トマト食べたらどうする?」などと言っています。
私が手伝いながらなんとか食べ終わり、近くの公園へ。虫捕りが大好きだといいます。この時期なのに、公園にはバッタがたくさんいました。それを虫取り網で、ときには手づかみで捕まえます。
2時間くらい公園にいたでしょうか。飽きずにずっとバッタを追いかけまわしていて、10匹くらい捕まえていました。トノサマバッタ、ショウリョウバッタ、イボバッタ、ショウリョウバッタモドキなど名前も覚えています。昆虫図鑑を見て覚えた様子。
まだまだずっと公園にいたそうでしたが、きちんと昆虫かごからバッタを逃がしてあげて、手をつないで施設まで帰りました。「ママ寝るときもいる?」と聞くので、「うん、いるよ。あした帰るよ」と話しました。
しばらくおもちゃで遊んだり、絵本を読んだりして、夕方からお風呂。親子訓練室にはキッチンとお風呂もついています。広くて足の伸ばせる湯船で、お子と二人でゆっくりお湯につかることができました。
お子は、自分の頭は自分で洗って自分で流します。施設に入る前は、私がシャワーでお子の頭を流すと泣いていたのに。すっかり成長していました。湯船からあがる前は、1から10まで数字を数え、10から1まで下ることができるようにもなっていて、母は目を見張りました。
夜ご飯は相変わらずしゃべってばかりで、箸が進みません。「玉ねぎときゅうりとねぎはきらい。からいから~」といって母のお皿へ。少し食べると「あつまれ、して」と食べやすいように食べ物を一か所にまとめてほしいと頼んできます。
食後は「ゼロワンがみたい」とのこと。いつも幼児さんのお部屋でみんなと一緒に見ているそうなのですが、「ママとみたい」と。それを聞いて職員さんがDVDデッキを親子訓練室に持ってきてくださいました。
お子とはじめてみた『仮面ライダーゼロワン』はおもしろかった。2話みて、電気を消して寝ました。お子は疲れていたのか、安心したのか、すぐに眠りにつきました。久しぶりに見た笑顔はかわいくて、私の心の中の大事な部分が癒されていくのを感じました。私はこれをずっと待っていたのだなと。
翌朝も、ご飯を食べてバッタを捕って。あっという間に別れの時間です。お子は元気よく「またね」と送り出してくれました。
お子が外泊しにやってきた
先週はお子が私の暮らす家に外泊をしにやってきました。
到着してすぐ、お子のリクエストで、二人で市立図書館へ。昆虫に夢中なお子は次々と昆虫の本を手に取りページをめくっていました。お子は10ヶ月前よりだいぶ動きが落ち着いていて、同じ図書館という場所で過ごすのも母はだいぶ楽でした。
その後、子育て支援センターへ顔を出すも顔見知りを発揮。預けられた過去か何かを思い出したのか「早くおうちに帰りたい」と涙目になりました。寄贈された昆虫の標本などを見、施設長ののり子先生に挨拶をして帰りました。
帰宅し、おもちゃで遊び、テレビを見て。お風呂に入ってご飯。スーパーで自分で選んだ握り寿司をうれしそうに食べました。この日は興奮していたのかなかなか寝ず、22時半にようやく就寝。
翌朝6時に起きました。また市立図書館へ行き、この日は地域でやっているフリースクールへ。小学生のお兄ちゃんお姉ちゃんの中ではじけるような笑顔を見せているお子に、いとしさが止まりませんでした。
このまま時が止まったらいいのに、と思いました。
「児童養護施設」との出会いで考えたこと
私は今年「児童養護施設」と出会いました。名前くらいしかほぼ知らなかったところ。ネガティブなイメージしかなかった場所。
その中で児童養護施設出身者の方のお話をうかがったりもしました。
お子を預かってもらっている間、児童相談所や児童養護施設、市の職員さんとたくさんお話をしました。今も話し合いを重ねています。その間、私は焦ったり気持ちが折れそうになったりもしました。
でも少しずつ前に進んでいます。
何が原因でしんどくなったのか、少しずつ分かってきました。それは私自身が持つ特性と向き合う過程でもありました。
その間、友人や先輩方に深く支えていただきました。みなさんのおかげで、年末年始も少しはお子と一緒にいられる予定です。
正直、お子と一緒に楽しく暮らしていけたらほかには何もいらないくらいの気持ち。でもそのためには、私の体調が安定し、なるべくストレスのない仕事を持ち、環境(安心できるコミュニティ、人間関係)を整える必要がある。私自身が割けるリソースとその配分を自覚して割り振る必要がある。
書くとそれだけのことが、ひとりで子育てをしていると、いつの間にか歯車が合わなくなってどこでどう合わなくなったのかすら自覚する暇もないままに苦しくなっていました。
簡単なようでむつかしい。だけど。
いま抱えている苦しい思いなどすべて糧にして未来へ。今はそういう心持ちです。くさくさする日だってあるけれど。
sentenceという「書く」を学び合うコミュニティに入っていて、そこでアドベントカレンダーに参加することにし、この記事を書きました。
今年1年大変過ぎて、何を書いたらいいのかわからないくらいでしたが、「児童養護施設」との出会いは私の人生においてもお子の人生においても大きなものになったと思い、この記事を書きました。
春にはきっと一緒に暮らせることを願って。
いただいたサポート費はよい文章を書くために使わせていただきます!