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子育てって三世代の往復書簡だね。

起き抜けのぼーっとした頭でぼんやりするのが好きだ。なぜかどことなく寂しくて、子どもの頃にべそをかいたときのことを思い出すような気持ちになる。この少し寂しくて誰かに甘えたくなるような感じを味わいたくて本もスマホも開かずにひたすらぼーっとする。

私はいつもお母さんに甘えたかった。恋人の肩に頭をうずめ、なでてもらいたいと欲したのは、もしかしたらお母さんにそうしてほしいという気持ちの表れだったのかもしれない。甘えてくる三歳児を抱き、抱かれながら、そんなことを思った。自分でもよく分からない気持ちの原型を子に教わるのは、どことなく安らいで、自分が安全基地にいるような感覚にさせられる。

雨の音がする。しとしと線の雨じゃなくて、もっと塊で降っているような音。時折その中を自動車が駆けていって、その塊を割ってしぶきをあげる様子を私は思い浮かべるんだ。まだ暗い朝の雨が私は好きだ。子も私もお母さんも柔らかくそっと抱き包むような心持ちにさせてくれる。

お母さんが私のために祈ってくれてるってことを知って、とてもうれしかった。私と子を思って手を合わせてくれるお母さんの姿を想像したら、じんわり心が温かくなった。照れくさくて何も言わないけれど。お母さん、子育てって、三世代の往復書簡なんだね。

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