【note8周年事業発表会を聴いて】活動拠点としてのnoteと税理士事務所について考えてみた
本日、2022年4月21日(木)。noteの事業発表会に参加させて頂きました。今までメディアのみの記者発表会でしたが、8周年の今年はnoteクリエイター10名が招待される初めての試みとのこと。私が取り上げる事業内容のポイントは、“クリエイターがnoteを活動拠点として、創作活動を支援”している点です。この“活動拠点”に対するnote読者の皆さまの考えも様々。今後のnote活動を考える、何かのきっかけになれば嬉しいです。
< 今回の事業発表会:2022年4月21日(木)12:00-13:30 >
< ご参考 前回の事業発表会:2021年4月7日(水)12:30-14:00 >
1.note事業発表会に行ってきました
ご存じの通り、noteには様々なクリエイターの皆さまが参加されていますが、税理士や中小企業診断士のような士業の方も多くいらっしゃいます。自身をブランディングするにはnoteの環境は適していますからね。で、税理士の目から見て事業活動報告を記事に出来れば面白いのではないかと。
よくnoteは一つの街に例えられ、クリエイターの皆さんが交流する場となっています。加藤CEOの構想にも“リアルでの交流に代わって、仮想空間でのインターネット上の交流も増えてきており、noteはその活動拠点となる”とあります。リアルの街では様々な住民が住んでおり、当然、“街の法律家(税理士など)”も生計を立てていますが、仮想空間(note)でも当てはまってくるのではないでしょうか。そこでリアルな事業とnoteを比較してみて、活動拠点としてのnoteの性格を見ていこう、というのがこの記事の趣旨になります。
2.活動拠点としての土地とnoteの街の比較
実際に事業を始める時、魅力的な活動拠点の条件ってありますよね?駅に近い、大きな道路に面している、車での来客に備えて駐車場完備等・・・。当然、好条件の土地の価格は高くなります。活動拠点を決める際には、土地の価格と懐事情と相談して決めると思います。
毎年、9月に都道府県が“基準地標準価格”を公表し、その半年後の3月に、補完的に国土交通省が“公示価格”を公表しています。ちなみに税金に関しては、“相続税路線価”を国税庁が、“固定資産税評価額”を各市町村が管轄しています。で、土地の価格って、いろんな要因で決められます。
例えば、土地の地盤面が道路面より高い場合。実は商業地と住宅地で事情が異なってきます。商業地の場合、出入りに不便を生じるため減価要因になりますが、住宅地の場合は逆に、景観等で増加要因になったりします。つまり土地を使用する人(仮想空間ではnoteクリエイター)によって、快適だと感じる条件が異なってくるということです。
なるほど、だから事業発表会でも深津CXOがnoteの改善ポイントをプレゼン。様々なnoteクリエイターの多様な要望にきめ細やかに応えているということですね。CXOの役責を設置(CXO:Chief eXperience Officer ユーザの体験を設計し、良くしていく責任者)していることからも、note株式会社の多様な要望に応える心意気が伝わります。
3.意外な税理士事務所の性格とは?
ところで、一般的に事務所と言えば、どのようなイメージを持たれますか?大きい事務所、小さい事務所と出入りする人数はそれぞれですが、例えば飲食店のように不特定多数の人が出入りするイメージだったりしませんか?私も税理士登録する前は、不特定多数の人が出入りするイメージが強かったです。確かに納税者のために開かれた事務所であることは大切ですが、もっと大切な事務所の役割があります。それは、“お客様から預かった書類の機密保持が図られていること”です。
他の士業と比べて、この機密保持はとても厳重に登録時審査されます。例えば中小企業診断士の場合、住所の情報に関して、書類のやり取りだけで済みます。引越しした場合も、住所情報をMyページ上更新するレベルです。どちらかというと、中小企業診断士は事務所で仕事するというより、顧客先や商店街等の出先で仕事するイメージが強いです。
これに対して、税理士の場合、事務所の条件・場所がとても重要になってきます。資格登録時、税理士会理事の大先生が数人、事務所を視察。事務所として書類等の機密管理機能があるか厳重に審査されます。また引越しした場合も大変。外出を控えるコロナ影響の時も、事務所の間取り図や写真等を郵送のうえ厳密に審査、という対応でした。レンタルオフィスのように常駐しない事務所は税理士事務所として認められないということです。税理士事務所は、商業というより住宅の意味合いが強いのかもしれませんね。
これを裏付けるように、“税理士事務所設置に関する誓約書(ヒナ型7)”という登録時の申請書類があり、例えばマンションオーナーや管理組合から、税理士事務所設置の同意が得られなかった場合に、税理士会会長宛に迷惑かけない旨を宣誓することになります。東京税理士会の公式サイトでも案内されていますが、ご覧になられて結構意外に思われるのではないでしょうか?
このようなことから、事務所って単純に一括りにはできず、仕事内容で判断する必要がありそうですよね。仮想空間(note)でも多様性という点で同様。今のnote機能では機密文書のやり取りを想定していませんし、機密文書の保管まで、ユーザのニーズは”現時点では”少ないと考えています。ただ、いろんなnoteクリエイターがいて、クリエイター同士交流する。この中で生まれた多様なニーズにnoteは応えてきて、これからも進化し続けるものだと思います。
4.開かれた事務所でnoteでの交流を楽しむ
他方、“税理士事務所は機密ばかりで、全然納税者に開かれていないの?”。このような声が聞こえてきそうなので、簡単に補足させてください。事務所の条件・場所がとても重要と書きましたが、(税理士会支部によって若干異なりますが、)資格登録時に税務署前の掲示板に、支部内全員の税理士の住所と電話番号が常に貼り出されており、納税者が電話を掛けたり、郵便物を郵送出来たりと、“申告納税制度の理念”に沿って、常に納税者は税理士にアプローチ出来るようになっています。私の場合、流石に今まで見ず知らずの人から突然、納税の相談を受けるということはありませんが、窓口として開かれていることは大切かなと感じています。
今のタイミングでnoteにおいて税金相談となると、相談者の個別事情が分からない等で、相談に応じるのは厳しいですが、程良い距離感で交流を楽しんでいます。具体的には、“異業種交流での気付きとアウトプットの練習の場”として楽しんでいます。noteの現行機能には他のSNSのように個別にメッセージ交換する機能(≒DM機能)が無く、note記事にスキ・コメントでコミュニケーションを取る形式を採っていますが、純粋に投稿記事のメッセージのやり取りすることが創作意欲を掻き立てるのでは。もちろん今でも、note現機能で満足しています。
note現機能で満足していますが、せっかく今回の事業報告会に参加させて頂いたので、今後のnote新機能についても知ってみたい!この思いから、加藤CEOと深津CXOに次の質問を投げかけてみました。
”昨年(7周年)でも少し触れられていましたが、DMでクリエイターの交流や仕事の依頼機能について、今後予定等はございますでしょうか?”
これに対し、お二人から快い回答が。とてもありがたいですね!!
深津CXO: ”DM機能は開発中のマイルストーンにあります。”
加藤CEO: ”ぜひ今後のnote機能改善にご期待ください。”
もし将来的にDM機能が追加されると、クリエイター同士の距離感も少し変化すると思います。機密保持等の難しい条件がありますが、これらをクリアすれば、例えば個別書類のやり取りを通じての税金相談や、税金アドバイスに係るレクチャーやセミナーの実施もnoteを通じて出来るのかもと、想像しています。更には他の会計ソフトベンダとも連携して、noteを通して、税務支援できる日が来るかもしれません。もちろんnoteが目指す「創作の街」の理念は変わらないので、他のSNSのようなマネタライズはありえないと思います。というのも、税理士は公的な立場から”申告納税制度”の考えに則り、正しい税務申告を啓蒙するのが第一であって、納税者から報酬を頂くのは二の次ですからね。DM機能が追加された環境に順応して、“noteの街の法律家”としての情報発信も変化し、違った形で他のクリエイターの方達との異業種交流を楽しみたいですね。
プロフィール欄でもありますように、平日は企業内で経理業務、週末は中小企業診断士・税理士活動をしています。サラリーマンで働きながら”将来の飯のタネ”をどのように育むか、noteでの異業種交流を通じて、”思考の試行錯誤”しています。
何か思い立ったら、とりあえずnoteを開けてアウトプット。読者の皆さまからのスキ・コメントを頂いて、更に他のクリエイターの皆さんの記事も覗きに行っては交流を楽しみ、気付きを得ては次の創作活動に活かす・・・というように、note活動を楽しんでいます。これからも“noteの街の法律家”としてnoteを活動拠点として構えていますので、読者の皆さまにはご指導・ご鞭撻のほど、今後とも宜しくお願い申し上げます。
<※ご参考:租税教室マガジンのご案内>
当記事で、税理士の活動に関心を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。ご参考までのご案内となりますが、税理士会では主に小中学生を対象に租税教室の活動をしています。活動内容をnote記事・マガジンにまとめていますので、宜しければ覗いて頂ければ嬉しいです。
<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>
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