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噛んで砕こう世界遺産#4「白神山地」

どうも!
水島ひらいちの涼です!

本日も前回の屋久島に続いて自然遺産のご紹介となります。
パッと見の雰囲気は屋久島感があるかもしれませんね。

白神山地

登録年:1993年
所在地:青森県・秋田県
登録基準:(ⅸ)
構成資産:青森県南西部(鰺ヶ沢町、深浦町、西目屋村)~秋田県北西部(藤里町)に跨るエリア(青森74%・秋田26%)

東アジアに残された最後の原生温帯林

青森県と秋田県の県境に広がる白神山地は、古来より髪の常住する霊山と崇められ、クマやウサギなどの狩猟と山菜や川魚を採取することで糧を得るマタギの仕事場でした。

時を遡り約250万年前、この地は海底にありました。
その後急速な隆起によって形成されたのが白神山地です。
一年間に約1.3mmという日本列島のなかでも極めて早い速度で隆起が始まり、それは現在まで続いています。
北東北ということもあり、雪も多い地域です。雪崩や地すべりなども頻繁に起こり、隆起と崩落を繰り返すことで独特な地形を形成してきたんですね。

そんな白神山地には、約8,000年前に現在の分布域に達していたとされるブナなどの落葉広葉樹林が比較的原生的な状態で残されています。

ブナ

地球上にブナ林が生育したのは1,000万年以上前とも言われています。
ブナ林をはじめとする温帯林は北半球の極地近くまで分布していましたが、寒冷化とともにその分布域は変化し、ヨーロッパやアメリカ東部、そして日本にまでやってきました。
大陸氷河の発達によってブナ林は少しずつ減少していきましたが、氷河に覆われなかった日本のブナ林は、純林のまま残されているんです!
そこが世界遺産のポイントとし評価されているんですね〜。

ブナ林はかつて日本各地にありましたが、伐採が進んで人工林や二次林になっているんです。
そんな中、白神山地のブナ林は人里から遠く、地形が急峻だったこともあり伐採されずに残っているんです。すばらしい!

ちなみに、ブナ以外の植物ももちろん生えまくってます。アオモリマンテマなどの固有種をはじめ約500種類くらいあるんですが、その中でも特に希少な108種の植物は保護すべき植物として採取や損傷を禁じているんです。

もいっちょちなみに、ブナは漢字で書くと『』。
値打ちの無い木ということでこの漢字をあてがわれていますが、保水性能の高すぎるブナは乾燥技術の発達していなかった昔に建築や家具の材料として使えなかったんです。

白神山地に住む動物

植物もりもりの白神山地にはもちろん哺乳類、鳥類をはじめとした動物たちもたくさん住んでいます。どうぶつの森です。
特別天然記念物のニホンカモシカやツキノワグマ、ニホンザルなどなど。
さらには絶滅危惧種に指定されているクマゲラやクマタカなんかもいるんです。他にはイヌワシやシノリガモなど、鳥類の方がたくさんの種類生息してますね。
クマゲラってのはデッカいキツツキです。

白神山地とマタギ

冒頭でも書きましたが、白神山地を生業の地として暮らしていた人々「マタギ」についてです。マタギは白神山地特有のものではなく、狩猟を専業とする人のことを指しますので。
主に冬、山岳地帯の獣道を分け入ってクマやカモシカなどの狩猟を行っていましたが、マタギの人たちは無駄な殺生はせず、必要な分だけ狩りをしました。
また、白神山地を神の住む山と呼び、尊び続けてきました。自然や生態系に影響を及ぼさないよう、生きていく力をもらっていたんですね。

白神山地が世界遺産に登録されマタギの狩猟は禁止されました。多くのマタギはその後白神山地の山岳ガイドとして活躍しているようです。

おわりに

白神山地の広大かつ貴重な自然を守るべく、環境省・林野庁と青森秋田の関係機関が白神山地世界遺産地域連絡会議を1995年に設置しました。
2010年からは地元市町村もオブザーバーとして連絡会議に参加しています。

白神山地は今もなお多くの人たちによって保全の取り組みが考えられています。

私も仕事で青森や秋田にはたまに行くので、近いうち白神山地にも足を運んでみたいと思っています。散策ルートもいくつかあるみたいなんで、何回行っても楽しめるかもしれませんね!

ちなみに今回で4つ目の世界遺産の紹介となりますが、1993年日本で一番最初に登録された世界遺産がこれまで紹介してきた法隆寺、姫路城、屋久島そして白神山地となります。

https://note.com/hiraich/n/nfffef2a296ba

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