平井康嗣

編集者、記者。 執筆『西武を潰した総会屋 芳賀龍臥』(WAVE出版)、共編著『電通の正…

平井康嗣

編集者、記者。 執筆『西武を潰した総会屋 芳賀龍臥』(WAVE出版)、共編著『電通の正体』、『トヨタの正体』(金曜日)、『沖縄の基地マフィア』(七ツ森書館)、『メタバース革命』(扶桑社)など。

最近の記事

【エィミー・ツジモトが読むアメリカ⑥】バイデン撤退論 民主党議員の本音

大統領選をめぐる動向は日々、目まぐるしく動いている。7月22日(日本時間)、ジョー・バイデンは大統領選からの撤退をSNSで発表した。「誰が新しい大統領になるのか」に目先の議論が行きがちなのは仕方ないことだが、一連の動きの中で射程距離の長い重要な発言や出来事をピックアップして深堀りしていきたい。下記は7月19日のインタビューである。 平井 政治家の襲撃殺害事件は当然ながら、憶測を呼びます。まず、お聞きしたいのは、7月11日にペンシルベニア州で起きたトランプ狙撃事件の容疑者であ

    • 【エィミー・ツジモトが読むアメリカ⑤】バーニー・サンダースが冷やかしたイーロン・マスク

      大統領選をめぐる動向は日々、目まぐるしく動いている。「誰が大統領になるのか」に目先が行きがちなのはしょうがないことだが、一連の動きの中で射程距離の長い重要な発言をピックアップして深堀りしていきたい。 エィミー シリーズの1回目に、シチズンズ・ユナイテッドの裁判の話をしましたね。 平井 企業や団体による政治家の選挙における政治献金を制限することは違憲であると判断した2010年の連邦最高裁判決ですね。これによってその後の大統領選の選挙広告費用が数百億円になっていったという。

      • 【エィミー・ツジモトが読むアメリカ④】 ラストベルトの熱狂的なトランプ支持者

        アメリカ政治に影響を与えている企業や大富豪と政治家の関係を軸に話を聞く4回目。(インタビューは7月11日) ◇退職金よりも重視される福利厚生 平井 シチズン・ユナイテッド裁判では、大統領選や上下院選挙への政治献金は国民にとっての表現の自由ということだけではなく、企業にとっての表現の自由でもあると連邦最高裁判決が認めたわけです。  そうしますと、アメリカにおける政治献金は概ね選挙に紐づいてなされているということでしょうか。日本では選挙のときに政治献金が大きく動くというより

        • 【エィミー・ツジモトが読むアメリカ③】 ナンシー・ペロシ発言の背景

          ーー7月14日、演説中にトランプ大統領が狙撃されて負傷した。その考察をする前に7月11日に取材したエィミー・ツジモトさんの分析を紹介したい。 ◇次の民主党候補者は・・・・ 平井 ドナルド・トランプは日に日に求心力を高め、ジョー・バイデンの遠心力は日に日に高まっています。このままいけば、トランプが再び大統領になるのではないでしょうか。 エィミー 民主党の大統領選候補者は二転三転、四転しています。ジョー・バイデンが病んでいることは、民主党だけでなくアメリカ人はわかっています

        【エィミー・ツジモトが読むアメリカ⑥】バイデン撤退論 民主党議員の本音

        • 【エィミー・ツジモトが読むアメリカ⑤】バーニー・サンダースが冷やかしたイーロン・マスク

        • 【エィミー・ツジモトが読むアメリカ④】 ラストベルトの熱狂的なトランプ支持者

        • 【エィミー・ツジモトが読むアメリカ③】 ナンシー・ペロシ発言の背景

          【エィミー・ツジモトが読むアメリカ②】 アイゼンハワー大統領の懸念は現実になった

          ◇アイゼンハワーの引退演説 平井 前回はアメリカ大統領の背後には、民主党にしろ共和党にしろいずれにせよ巨大企業がいて、その大企業が政治家をコントロールするために、合州国では合法的に政治献金する仕組みが出来上がっているという話でした。 エィミー 今の日本とアメリカの有り様を俯瞰すると、政治献金を通じて防衛産業を拡大しようという狙いが見えてきます。政治献金をする産業は防衛産業だけではありませんが、結局のところ日本もアメリカも同じです。  第34代合州国大統領のアイゼンハワー

          【エィミー・ツジモトが読むアメリカ②】 アイゼンハワー大統領の懸念は現実になった

          【エィミー・ツジモトが読むアメリカ①】 「大企業や富裕層が大統領を操るようになり、自民党もその真似をしようしている」

          今年10月には米国大統領選挙が実施され、4年ぶりに新大統領が決まる。目下の有力候補は民主党の現職ジョー・バイデンと共和党のドナルド・トランプ元大統領だ。今回から毎週1回程度、日系米国人ジャーナリストのエィミー・ツジモトさんに、米国で何が起きているのかを聞いていく予定だ。 平井 6月28日にジョー・バイデンとドナルド・トランプの初めてのテレビ討論会開かれ、日本でも大きく報じられました。討論会では、呂律が回らないバイデン、フェイクを撒き散らすトランプの姿が強調して伝えられました

          【エィミー・ツジモトが読むアメリカ①】 「大企業や富裕層が大統領を操るようになり、自民党もその真似をしようしている」