「今宵ローゼの花影に」冒頭

さあ、暮れました、暮れました アポロンの馬車は夕を引き 今日も畳める座興の後に 九人の女神、夜の狭霧 ふるえば人の世の憂い 落ちて弾みて身に沁みる 今宵ローゼの…

「飛翔」

二つ折りの生き物たちが昇っていく 蔓の断たれたフェンスの上を 撚りの解けたロープの上を つんと刈られた杉の上を 北風(きた)に髪を遊ばれた、私の視線の遥かな上を…

「アンネリダ這いて」

私は、硬直した死体とワルツを踊りながら 永い永い夜を越えるのです。 そして朝(あした)、アンネリダの這う 蝋のようなる手の甲に、キスをして別れます 人の消えたダ…