見出し画像

表現力トレーニング🏋🏻 vol.4

今日はこちらの本が届いたので、いくつか印象に残ったコピーを取り上げていきます。

ボディコピーに着目して、本文とクリエイティブと、コピーライターのコメントを掲載している本です。

『何度も読みたい広告コピー』(株式会社パイ インターナショナル)

4つのタイプに分類されていて、【顧客目線型】【企業・商品メッセージ型】【第三者メッセージ型】【物語型】にわけてコピーが掲載されています。が、分類はあまり気にせずピックアップしていきます。


ロケットも、文房具から生まれた。

文房具と一緒にいる時、ひとはとてもいい顔をしている。つくづく、そう思うことがあります。書く。ひたすら書く。机に向かうその清潔なまなざし。手を休める。思いをめぐらす。遠くを見つめるそのやわらかなまなざし。考えている。苦しんでいる。迷っている。もがいている。でも、まちがいないく前へ進もうとしている。思えば、文房具は、人間のそんな素顔を、なんと長い時間見つめてきたことでしょうか。幸福な仕事。自分たちの仕事を思う時、私たちトンボは決まってこの言葉に行きあたります。なぜなら、私たちのそばには、いつも頭と心をいっしょうけんめいに使う人がいて、その人の手から、必ずひとつ、この世になかった新しい何かが生み出されている。そう思うたび、誇らしさに胸がいっぱいになります。傷つきやすく、たくましい。弱くて、かしこくて、とほうもなくあたたかい。そんな人間が、いちばん人間らしくあろうとする時に必要なもの。トンボは、これから先も、ずっと人間のそばで暮らしたいと願っています。 株式会社トンボ鉛筆

トンボが動いている。
人が、何かを生み出している。

岩崎俊一さん / トンボ鉛筆

いちばん、かっこいい〜〜ってなったコピーです。
鉛筆の立場になって、人間の人間らしさをほめたたえつつ、自分たちが何を生み出してきたのか、想像力豊かに描いている。クリエイティブもシンプルだけど壮大で、言いたいことを端的に表現していて、目をひく。

着ることは、生きること。

ふだん、どんなに急いで歩いているかは、
きものを着た日にふとわかる。
食べ方だとか、座ったときの姿勢とか、
小さな仕草のひとつひとつが、少し丁寧になっていく。
そう、これはきっと、生き方が見えてしまう服。
いくら若くて美しくても、
しっくり馴染むとかは限らないし、
逆に、どうしてもかなわない80歳のおばあさまもいる。
それが、なぜかうれしい。
きものがもっと似合うようになるために、
もっときちんと生きようと思った。

こやま淳子さん / 長沼静きもの学院

いちばん、それを手に入れたくなったコピー。
きものが似合うようになるために、もっときちんと生きようと思った、というのがいいなあと。コピーライターのこやまさんは、このコピーを書くために実際に学院に通ったりしたそうで、どのコピーもそうだけど、その対象の魅力を存分に実感しないといいコピーはかけないんだろうなあと改めて。

30歳未満は、お断りだね。

琵琶湖、浜名湖で育った胴丸蟹のみそを贅沢に使って、しかもふかひれと蟹肉の歯ごたえがたまらない。「お前なんかには、まだはやい」と、父は言う。いつか、誰かに言ってみたい。

武藤雄一さん / ホテルオークラ東京

いちばん、読ませるキャッチコピー。
キャッチコピーとボディコピーとの一体感を感じられる。短いのに、特別な日を過ごす家族の様子が目に浮かぶようだし、しっかりとふかひれスープのPRもしている。

時を旅する道具は、タイムマシンだけではない。

赤茶けた祖父の日記。
古ぼけた子どもの頃の愛読絵本。
図書館に眠る町のいつかの史料。
頁をゆっくりめくっていると、
その時代に遡ったような気分になることがあります。
きっと紙は情報といっしょに時間を閉じ込めている。
きっと人は絵を描きながら、
文字を記しながら「いま」を刻もうとしている。
私たちはこれからも紙を届けることで、
人々の歴史を支えていきます。

細田高広さん / 新生紙パルプ商事

いちばん、わくわくするコピー。
タイムマシンという言葉があるだけで、ちょっとわくわくする。
コピーライターの細田さんは、ネットを仮想敵として紙のなにがいいのかを考えたそう。そこで出てきたテーマが、「想像、時間、感触」だったと。紙だから、感じられること、できることを一歩引いて表現していて、他のシリーズ広告もすてき。


自分たちはなにを発明してきたのか、なにを伝えてきたのか、を本質のところまで考え抜いて出てくる言葉だから、いいなって思えるし、共感もできる。
NASAで働くトイレの清掃員さんが「人類を月に送ることに貢献する仕事をしている」と話したというエピソードを思い出します。

書くのに疲れたので第一弾はここらにして、第二弾も書きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?