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【読書】少年と犬


著者:馳星周

東日本大震災で飼い主を失った賢い犬の多聞が、偶然出会った様々な人達の元を転々としながら、とある目的地に向かって過ごした5年間を追いかけた物語です。

多聞の面倒を見た人達は何かしらの問題を抱えており多聞もトラブルに巻き込まれることになりますが、同時に飼い主目線での家族への想いや、犬ならではの飼い主に対する奇跡的な愛情行動・浄化作用を描きながらストーリが進みます。

物語が終盤に差し掛かったところで多聞の出生と目的地の正体に関する種明かしがはじまるのですが、その展開が急な印象でした。また、全体では多聞の謎よりも飼い主目線での犬と人との絆に関する内容の方が多いこともあり、犬を中心にしたヒューマンドラマとして読むのがよいと思えました。

犬を飼ったことのある人、犬を飼おうと思っている人など、犬好きであればなお感動するような一冊です。

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