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大混戦不可避、プレミアリーグ残留有利なチーム不利なチーム

残留争い年々激化してます

プレミアリーグといえば、他国リーグと比べてクラブ規模が大きいチームが多くそれらのチームによる優勝争い、CL 圏争いが毎年激化しているという面白さがあります。
昨季は最終節時点でどのクラブも順位が動く可能性があるという状態で優勝争いや CL 圏争いに一喜一憂しました。

同じように残留争いも毎年激化しています。
当事者たちは気が気じゃないと思いますが、、毎年優勝争いと同じくらい注目されますし、特にここ近年はドラマティックな結末で終えることがあります。
21/22 シーズンは最たる例で最終節、バーンリーとリーズが勝ち点が同じで得失点差でバーンリーが圧倒的有利という状態でリーズが奇跡的に残留を果たすといったドラマが生まれました。
これにはプレミアリーグ最終節が同時キックオフという仕掛け、文化も手助けしている側面もあります。

なぜここまで残留にこだわるのか?

これは放映権料による収入が一部したのチャンピオンシップとは桁違いだからです。
プレミアリーグの放映権料の全体の 50 % は均等にシェア、25 % は順位による分配、残りの 25 % は TV 設備のテレビ放映試合の施設使用料として分割されます。
チャンピオンシップも同じような構造で、順位による分割がないみたいです。
以下がプレミアとチャンピオンシップでの放映権料の違いですが、プレミアリーグの方がベースとして入るシェア分が 30 倍多くもらうことができます。
これを見ると何が何でも残留しようというモチベーションになるのはわかります。

Premier League と Championship のチームが得る放映権料の違い

では今年はどうでしょう?
現状(30 節終了時点)の順位表をもとにどこが残留争いに参加しそうか見ていきます。

22/23 残留争いしそうなチーム

順位表を見ながら残留争いしそうなチームを見ていきます。
以下が 30 節終了時点、残り 8 試合時点での順位表です。
ウェストハムがカンファレンスリーグの影響か 1 試合少ない状態です。

12 位のクリスタル・パレスから最下位のサウサンプトンまで勝ち点 10 点差に収まっています。
また現時点の降格ラインである勝ち点 27 点から + 6 点差、つまり 2 試合分の間に 7 チームがいる状態です。

PL 30 節終了時点の下位 10 チームの順位表

また昨季 21/22 はノリッチがダントツで最下位だったため他 2 枠を争うという形で降格圏を争っていました。
今年はダントツで最下位というチームがなく、最下位のサウサンプトンも 2 試合勝ち越せば降格圏を脱出できるチャンスがあります。
これらのことからも今年はかなり混戦しています。

参加しそうなチームの中には、昨季に引き続きリーズやエバートン、サウサンプトンがいます。
昨季 7 位のウェストハム、8 位のレスターなど近年中堅層にいたチームがいるのもびっくりです。
フォレストは積極補強が実を結ばず現在 18 位、降格圏に沈んでいます。

もちろん残り 8 試合で状況が変わって残留争いを脱するチームが出てきたり、逆に調子を落とし残留争いに加わるチームが出てくるかもしれないですが、この note では上記の赤枠に囲った 9 チームを残留争いに巻き込まれそうなチームとして話を進めます。

22/23 残留争い、有利なチーム不利なチーム

残留争いに巻き込まれそうなチームが特定できたところで、色々な角度かあら比べていきます。
結論、フォレストが一番不利な状況にあるのではないかと思われます。

怪我やサスペンションの選手

以下のサイトにプレミアリーグのチームごとの怪我・サスペンションの選手がまとまっているので参考にします。
まず単純に怪我やサスペンションの人数で比べてみるとフォレストがダントツで多い 11 人となっています。
続いてエバートン 7 人、ウルブス、サウサンプトンの 5 人と続きますが、それと比べてもフォレストの 11 人は多いです。

https://www.premierinjuries.com/injury-table.php

12 位以降チームの怪我・サスペンションの選手数(30 節終了時点)

内訳を見てみると、クリス・ウッドやディーンヘンダーソン、オーリエ、クヤテ、冬に獲得したグスタボ・スカルパなどスタメン級かと言われると微妙な面々だが経験がある選手ばかりです。
残留争いにはこういった選手たちの経験がものを言う部分もあると思うのでいてくれないのは心配です。

またチームに怪我人が続出しているということは、今後も増える可能性をはらんでいることとなるので、スタッフは注意が必要だと思われます。
終盤の大事な場面でスタメン級の選手が怪我したとなったら残留に向けて十分に戦えないとなってしまったら大変です。

FDR(Fixture Difficulty Rating)

ファンタジープレミアリーグで遊んでいる人にはおなじみの指標ですが、試合ごとの難易度を表す指標で、プレミアリーグの公式サイトから見ることができます。

5 段階で表すことができ 5 が難しい試合となっています。
サイト上だとカラースケールで表されてて、緑が比較的簡単な試合、赤が難しい試合となっており、視覚的に非常にわかりやすいです。
例えばホームで下位のチームと戦う場合は緑になります。
これをもとに今後の試合どこが最も難しい試合が続き、勝点を取れそうにないか見てみます。

FDR の定義
FDR の定義

視覚的に赤が多いのはフォレスト、ウェストハム、サウサンプトンあたりでしょうか?
FDR のポイントを残り試合数で平均を取ってみると、フォレストが一番高く 3.14、続いてウェストハム、リーズ、サウサンプトンが 3 となっていました。
残りの日程的に考えてもフォレストが最も不利という結果になっています。
逆に一番ラクなのはボーンマス、クリスタルパレスとなっています。
クリスタルパレスは降格圏からは 6 ポイント離れているので現時点でも少し安泰な気もしますが、ボーンマスは割と近いので朗報かと思います。

下位 10 位の 32 節以降の FDR
下位 10 位の 32 節以降の FDR
FDR の平均

オッズ

次にオッズです。
ベッティングをする人たちは日々情報を追っている人がほとんどだと思うので実はこれが一番現実に即しているかもしれません。
その上で oddschecker というベッティングサイトをまたいで見ることのできるサービスで「最下位オッズ」を確認してみます。
1 番人気がサウサンプトン、2 番目がフォレスト、3 番目がレスターとなっていました。

https://www.oddschecker.com/football/english/premier-league/to-finish-bottom

最下位ベッティングのオッズ(4/16 時点)
最下位ベッティングのオッズ(4/16 時点)

また参考程度に「次の監督解任オッズ」も見てみたところ、1 番人気はフォレストのクーパー監督でした。

次の監督解任オッズ(4/16 時点)

オッズを見てみるとここまでフォレストが不利だと言っていたのが反映されていることがわかりました。
フォレストのファンの方々には申し訳ないデータとなってしまいました。すみません。🙏

残留争いのここに注目!

今年も最終節に注目!

対戦表を見てみると最終節に上記で挙げた残留争いしそうなチーム同士の対戦が見られます。
また上位陣と最終節に戦うチームもあり、残留、優勝、CL 争いが絡み合った泥沼な展開が見られそうです…!

下位 10 位の 32 節以降の FDR
下位 10 位の 32 節以降の FDR

残留争い同士のカード

  • クリスタル・パレス VS ノッティンガム・フォレスト

  • レスター VS ウェストハム

  • エバートン VS ボーンマス

上位陣との対決カード

  • アーセナル(優勝争い) VS ウルヴァーハンプトン

  • リーズ VS トッテナム(CL 圏争い)

エバートン VS ボーンマス 現時点で勝ち点が近いため、最終節付近でも競った試合になることが予想されます。
レスター VS ウェストハム も先程行ったように近年中堅と呼ばれてたチーム同士なので、もしどちらかが落ちてしまうみたいなシチュエーションで迎える場合があれば面白い試合が期待できそうです。(どちらも落ちてほしくはないですが…)
アーセナル VS ウルヴァーハンプトン ではアーセナルは一つも落とせないという展開になりそうで面白くなりそうですね。
ウルブスも残留に向けて一つ抜けた感がありますが、気は抜けないはずなので全力で挑んでくるでしょう。

監督を変えていないフォレストの運命はいかに!?

今シーズンは上位下位問わず監督がかなり変わったシーズンという印象があるかと思います。
下位チームは特に変わっており、残留争いに巻き込まれそうな 9 チームの内 7 チームがシーズン途中に監督を変えています。

シーズン途中で監督を変えた 7 チーム

  • ボーンマス: スコットパーカー → ガリー・オニール

  • サウサンプトン: ラルフ・ハーゼンヒュットル → ネイサン・ジョーンズ → ルベン・セイエス(暫定)

  • ウルブス: ブルーノ・ラージェ → フラン・ロペテギ

  • エバートン: フランク・ランパード → ショーン・ダイシ

  • クリスタル・パレス: パトリック・ヴィエラ → ロイ・ホジソン

  • リーズ: ジェシー・マーシュ → ハビ・グラシア

  • レスター: ブレンダン・ロジャース → ディーン・スミス

この中で成功してそうに見えるのが、ウルブスくらいですかね…?
後半戦の途中で変わった場合、数ヶ月しかないため効果が分かりづらいというのが正しい表現だと思われます。
レスターは 4 月にロジャースを解任してディーン・スミスを招聘しましたが少し遅いようにも思えます。
監督解任もちろん解任ブーストで短期的な解決になり得る場合もありますが非常にギャンブル性の高い行動だと思うのでシーズン終了まで様子を見る必要があると改めて思いました。

それに対して変えていないのがフォレストとウェストハムです。
ウェストハムはモイーズ監督がここ数年指揮をしており、これまでの信頼からキープだと思われます。

フォレストはクーパー監督と昨年の 10 月に契約を延長したり、4 月に監督への信頼を表明にするなどクーパー監督の解任の可能性はないと思われます。
プレミアリーグのチームとしては珍しくフロントが監督に信頼を寄せていることがわかり、ちょっと応援したくなりました。
監督続投する場合は劇的に変わるという可能性が低いため改善できずそのまま、、なんてことになりそうですが、これまでの実績や長期的に考えてのことだと思うので、クラブのその考えがピッチ上に反映されプラスに働くかを確認したいです。

最後にフォレストをフォロー

近年激化しているプレミアリーグの残留争いですが今年はダントツ最下位がいない分更に激化することが見込まれています。

そんな中いろいろな角度から残留争いの有利不利を観た結果、フォレストが不利なことがわかってしまいました。(そんなこと知っとるんじゃ!というフォレストファンの方々には重ね重ねすみません。)
けが人が多いことや今後も難しい試合ばかりなこと、監督解任オッズでもクーパー監督が 1 位なことなど表面的な悪さが今後懸念事項として挙げられます。

ただ調べていくうちに、フロント陣から監督への信頼やファンから続投への賛同があることを知ることができ、他チームとは違う何かがあるんじゃないかとチームの裏事情に期待もしています。
監督を変えないという逆張りが吉と出ることを祈っております。
残り 1 ヶ月はクーパー監督と心中する勢いでチーム一丸となり頑張って欲しいです。
もちろん、フォレスト以外のチームも残留に向けて悔いなく戦えることを祈っております。

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