見出し画像

忙しい日々とインパクト

それにしても、今月は本当に忙しい日々です。コロナが始まって以降で最も忙しい気がします。仕事をして寝るだけの日々だった様な。いや、仕事をして夕飯を作って寝るだけの日々だった様な。いや、仕事をしてウォーキングして夕飯を作って寝るだけの日々だった様な。いや、仕事をしてウンコして、

まあ、そんな感じなんです。

なのに心身ともに通常運転でいられたのは、昼間運動をして、早寝早起きをしているからでしょうね。

これで酒を抜けばもっとハツラツとしてられるのかも知れませんが、いまのところ、酒を飲まない人生など考えられません。でも、21時以降の食事は出来るだけしないようにしています。同時に、21時以降の酒も出来るだけやめています。なぜなら、早起きしたいからです。

私には「早起きハイ」があるんです。ランナーズハイみたいな使い方のハイです。前の日に22時半や23時に寝ると、次の日に6時とか6時半に自然と目が覚めます。緑茶かコーヒーと、お茶うけ程度のお菓子を食べながら仕事を始めるんですが、ものすごい集中力を発揮できるんです。本当に、昼間だったら6時間ぐらいかかる仕事が、1時間ぐらいで出来るんです。

私の仕事は、作業時間が必要と言うよりも、閃きが必要なんです。極端に言うと、「さてと仕事をしよう」と思って、1分後に閃けばそれで終わりなんです。そういう意味で、朝の閃きの打率はものすごく高いんです。また野球に例えちゃちましたけど。野球に想い入れないくせに。

で、閃く時というのは、ハイになってる状態ですね。すべてが上手く行くという確信に満ち溢れている状態です。多幸感に近いものも感じます。ドラッグやってる人の話みたくなっちゃってますが、本当にそんな感じなんです。だから、その感覚が欲しいがために、早寝早起きをしてしまうんです。

いまのところ、飲酒がそれを妨害している感じは無いんですけど、飲酒しなければもっと感覚的に研ぎ澄まされるのなら、酒も飲まなくなるかも知れません。ヨガとか断食にハマっちゃう様な感じなんですかね。そしてやや宗教じみて来ると言いますか。

とまあ、脳内にミリグラム以下で放出されるハイになれるホルモンが欲しいがために早寝早起きをしている訳です。それによって健康を害すること無く、激務をこなせている訳です。

何か、いかにも意識が高い経営者がやってそうな習慣なんですけど、CEOとかCOOあたりがやってそうな習慣なんですけど、やっぱりちょっとした異常さは感じるので、長く続ける習慣では無い気がします。

こう言ってはなんですが、普通の生活が絶対に良いはずなんです。同じような毎日の中に、少々の堕落が入ってるぐらいが丁度いいんです。でも今は激務なので、異常な健康生活を強制している訳なのです。

そんな多忙の中、完パケた仕事のひとつがこれです。若狭湾をPRする観光ビデオです。私は多忙多忙言ってる割に、こうやってYouTubeなんかにアップされる仕事が少ないので珍しいのです。

こういうちょっとふざけた企画というのは、作り手側が調子に乗って作ったと思われがちですが、一番パンクなのはこういう企画を、県などの自治体に通してしまう担当の方なんですよね。私たちはどれだけ怒られようが、失うモノは無いんです。でも担当の職員の方々は失うものがありますから。

それに関連して、最近本当によく思うことがあるんです。

CMにしてもWebムービーにしても、インパクトが求められるようになりました。本当はすべての告知映像にはインパクトが必要なんでしょうが、最近特に言われる様になりましたね。ネットの中に動画がものすごい勢いで溢れ、どうやっても埋没する可能性が高いからなんだと思います。

さらに、SNSで拡散されて流れてくる映像はインパクトが強いものばかりなので、そういう映像に慣れてしまった視聴者の目を止めるためにも、インパクトが必要だと思うようになったんだと思います。

そして、私はこの流れはすごく良いことだと思ってます。自由で公正なクリエイティブな競争が始まったなと思っています。

それでも、今まである意味「真面目」にやってこられた企業の方々からしたら、大きな抵抗があるんだと思います。私がしばしば直面するのは「インパクトの強い映像を作りたいけど、悪目立ちはしたくない。」という意識です。

そりゃそうだよなと思います。個人のSNSに置き換えてみれば分かりますから。「人気者になりたいけど炎上したくない。」とみんな思ってますから。炎上って怖いですもんね。

この辺り、本当に難しいし、もどかしいし、ややこしいですね。

勇気を持って一歩踏み出してしまった人たちが称賛されるのを傍目で見ながら、「自分はそれをする器ではない」「自分たちは先人が築き上げた伝統を背負っている」「失敗したら責任を取らされる」「失敗したら恥ずかしい」などと思ってしまうのが普通だと思うんです。

そうこうしているうちにも、あの真面目な子が金髪にして人気者になったり、あの引っ込み思案が芸人になって売れたりするのを見てしまう訳です。バカにしていたアイツが大スターになり、グラミー賞やアカデミー賞の授賞式に登場し、誠実に真面目にやって来た自分たちが取り残されてしまうのです。

そして、「今度こそやるぞ!」「オレだって勇気あるんだ!」「頭がいいだけじゃないんだ!」と思い、「次こそ今までに無いインパクトを!」と思うんですが、いざ目の前に金ラメの上下のスーツを持って来られると、「自分たちはそれを着てステージに立つ器ではない」と思ってしまいます。その、モジモジと躊躇する一流企業を見て、ある意味失うモノの無い新興企業はほくそ笑むんです。

今は、自分の特徴やアイデンティティを極端にまで際立たせる努力をしないと、埋没してしまうという事なんでしょうね。

お笑いのステージに立って、目の前にいるお客を笑わせないと成功出来ない社会って厳しいですよね。キツいと言いますか。お笑いというのはたとえですけど。でも、そういう側面がかなりある時代な気がしています。企業にも、個人にも。

そうなってしまった社会の中で、真面目で大人しく規律正しい方々が「一発ギャグ」を考えなければならないんです。これはキツいですよ。ちょっと想像して下さい。自分の身近にいる、真面目で誠実なあの人やあの人が、お笑いのステージに立って一発ギャグを言うのを。

ああ!帰りたい!見てられない!こんなの拷問だ!見せられてる方も拷問だ!助けてあげて!バスタオルでくるんであげて!

ふぅ…

そうは言っても、そういう時代になってしまいましたから、何か策を考えなきゃならないんでしょうけど。分かりやすくいうと、自分をいかに「さらけ出せるか」なんだと思います。それが出来るかどうか。すごく怖い事ですけどね。



サポートして頂けたら、更新頻度が上がる気がしておりますが、読んで頂けるだけで嬉しいです!