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まあまあ忙しい仕事です

首都圏などには緊急事態宣言が出されていますが、私も仕事を多く抱えていて緊急事態です。noteの更新もだいぶ滞っております。

何が忙しいかと言いますと、仕事が忙しいんですが、「じゃあお前は、具体的に何をやっていて、どう忙しいんだよ?」と思われているかも知れませんので、ちょっと具体的に書いてみます。

意外と自分が働いている世界以外の事って、全く知らない世界だったりしますから、ちょっとは面白く感じられるかも知れません。

とは言えややこしいのが、クライアントワークには守秘義務があったり、余計なことを書くと怒られたりしますので、仕事自体の具体的な名前は伏せますが、やっている作業の具体例を書いてみたいと思います。

例えば、いま、ある地方の観光映像を作っています。その地方を活性化させる地域振興のための映像です。私は何をやっているかと言いますと、企画と演出です。どうやったら人に見てもらえる映像になるかのアイデアを考えて、それを撮影して完成させる仕事です。

もっと具体的に書きますと、まず、どういうアイデアの映像にしたら目的を果たせるのかを考えて、その説明をしなければなりません。それを企画書と言います。企画書には狙いと方法が書いてあります。「こういう映像を作ることで、人が見てくれる映像になると思います。そして、こうやって作ることで予算とスケジュールがハマります。」という事が書いてあります。

企画が通ったら、今度はそれを具体的なコンテにしていきます。コンテとは何かと言いますと、何となく人がイメージ出来る程度の絵とセリフ、そして、その絵を説明するためのト書きという文字が書いてあるものです。今回の観光映像では、140カットぐらいのカットがあるので、コンテを書くのが大変でした。

そして、1月に入ってから、室内の撮影、屋外での撮影(ロケと言います)を済ませ、今はまさに編集しているところです。編集は映像の編集専門のエディターという職業がありまして、そういう方々にお願いしています。

通常、編集まで来ると、ある程度手が離れるものですが、今回の観光映像では、その映像に乗せるテロップのデザインや、撮影せずにグラフィック的に作るシーンも多いので、それも作っています。

私はそんな感じでやっていますが、ディレクターによってどこまでやるのか、その人によって違います。

一番シンプルなのは「演出」だけをやる人です。憧れますね。極端に言えば、メガホンだけ持っていれば出来ます。今どきメガホンを持っている人を見たことありませんけど。いや、メガホンすらいらないと言っても過言ではありません。

演出家の仕事は、演出家の考えているイメージを人に伝える仕事です。究極的には伝える手段は何でも構いません。「とにかく喋り倒す」という方法でもいいんです。自分が持っている撮影のイメージ、美術のイメージ、芝居のイメージ、音楽のイメージなどなどを、とにかく言葉にして伝えるんです。しっかり伝わるまで同じことを何度も言うんです。

そうやって同じことを何度も言うと、暑苦しい人、或いは圧がある人と思われちゃうんですが、そういう仕事だから仕方がありません。

そして、経験的に思うのが、自分の考えていることなんて全然伝わりません。だから、いろんな方法で伝えるんです。

ちなみに私は、引っ込み思案出身なので、喋り倒して自分のイメージを伝えるという方法が出来ません。圧を感じさせることも出来ません。この人の言うこと聞いておかないと怖い、とも思われません。だから、私はスタッフをあんまり変えないんです。同じスタッフとずっとやることで、伝わらないことも伝わるからです。コツコツと築いてきた信頼関係で、私の趣向みたいなものが共有されているからです。

あとは、演出コンテが勝負どころですね。演出コンテというのは、どういうアングルで撮って、どういうセリフがあって、どこで音楽が始まって、みたいな事が細かく全部書いてあるものです。映像の設計図ですね。

演出コンテという設計図があれば、極端な話、演出家が変わってもその映像は完成します。「カタチにはなる」という感じでしょうか。でも、その演出家の現場での演出が前提になっているコンテなので、狙っていたトーンとは違う映像になってしまう可能性も高いです。

とはいえ、演出コンテというのは、現場を離れてクライアントの偉い人にまで行ってしまいます。なので、出来るだけ考えていることはたくさん書き込みます。大御所の監督になれば、「あの方にお任せしておけ(バーン)」と社長も言うでしょうが、私みたいなどこの馬の骨か分からない、馬のどこの骨か分からない監督ではそうは行かないのです。

だから、演出コンテが勝負どころなんです。そこで決めたことは、その先ほとんど動かせないからです。

で、演出だけをやっている人に比べて、私は自分でいろいろやっちゃうもんだから忙しくなってしまうんです。

例えば、CMディレクターは根本的な企画は考えません。代理店のプランナーの方々が考えて、クライアントと詰めて決まった「企画コンテ」というものがあり、それを元に演出プランを考える仕事だからです。だから、演出だけをやるCMディレクターは演出だけに集中出来ます。

ですが、最近の私は「予算は無いけどそこそこ自由」みたいなゲリラ的な仕事が多いんです。大元の企画から考えて、演出コンテを描いて、美術デザインをし、カメラを回し、テロップのデザインをし、完パケる様な仕事です。たまに編集もやります。AfterEffectsも駆使します。DaVinciでカラーグレーディングもします。絶対にやらないのは、照明と音楽と音の仕上げですね。やれないんです。

いやしかし、10年ぐらい前に過労で倒れた時も、何でもかんでも自分でやろうとして過労になってしまったので、もう一度考えを改めたいと思ってます。

とは言え、予算が少ないとしょうがないんですけどね〜。カメラを自分でやる代わりに美術を入れるとか、そういう取引があったりもしますから。そして、「予算は無いけどそこそこ自由」みたいな仕事って、ストレスが無くて楽しんです。

いかん!ぬるま湯につかってる!

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