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全く映画祭に選ばれない作品は、作品に問題があるかも知れない。

私のところには定期的に映画祭に関する質問が飛び込んできます。メールで来ることもありますし、直接会った時に聞いてくる人もいます。私は私が経験した肌感覚と、そこから想像できる範囲でお答えしています。

私は作品を作り出して早々に日本の映画祭を目標にするのをやめました。それはよりレベルの高い世界を目指すと言うよりも、私の作風では日本の映画祭で選ばれる気がしなかったからです。なので、私には日本の映画祭の動向の詳しいところまでは分かりませんが、レベル感は何となく分かります。

私が映画祭にエントリーし始めた20年前よりも、今の方が日本全国に映画祭がある気がします。昔は応募要項もなく、どうやってその映画祭に選ばれるのか分からない映画祭もたくさんありましたが、いまはしっかりと応募要項があって正面からエントリー出来る映画祭が増えたと思います。そういう意味ではチャンスがいっぱいあります。

日本の映画祭で1年間に選ばれる日本の作品はどのぐらいあるんでしょうね?

長編映画の東京国際映画祭や、短編映画のショートショートフィルムフェスティバル&アジアなどなどたくさんありますが、少なくとも数百本の作品が1年間で選ばれていると思います。500本ぐらいはあるんじゃないでしょうか。同じ作品が選ばれる事も多いですから、長編と短編と合わせて300本ぐらいなんですかね。

一方で応募総数ですが、PFFで約500本、SSFFで約300本、ゆうばりで約800本、SKIPシティで約350本、田辺弁慶で約150本が、日本から応募されていると書いてありました。これは長編映画と短編映画を合わせた数です。東京国際映画祭は分かりませんが、他から推測するに200〜300本ぐらいだと思われます。

目標になりやすいこれらの有名な映画祭に応募される作品が、延べで約2500本ぐらいです。長編も短編もかなり重複しているでしょうから、1年間で日本で作られている映画祭を目指した映画の数は、1500本ぐらいだと思われます。何となく長編映画が500本、短編映画が1000本ぐらいの比率なんですかね。「とにかく映画祭に出してみたよ」という作品の本数です。レベル感は無視しています。

ざっくりと日本の映画祭にエントリーされる映画の数が1500本で、その中から入選とか上映にこぎつける作品が300本あるとします。そうすると、応募された作品の5本に1本は何らかの映画祭に選ばれる計算になります。メジャーな映画祭から小さな映画祭まで含めれば、そのぐらいの確率で選ばれるということです。

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