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『SHELL and JOINT』の俳優①

『SHELL and JOINT』の俳優の方々について書いてみようと思います。堀部さんと筒井さんについては、先日のnoteに書きましたので、お二人以外の方について書いてみます。

まずは、オーディションをやる前に私たちの方から出演をお願いした方々が何人かいます。今回のnoteではその方々について書こうと思います。

何と言っても、野島直人さんは私の作品からは絶対に外せない人物です。何かと言えば私の作品に出て来ます。出てくるという言い方は失礼で、出て頂いています。野島さんとは15年以上昔からのお付き合いで、お互い何者でも無い時から一緒に短編映画を作って来ました。私の中では、今回はこれが野島さんの適役、みたいな考えはなく、役が無かったら作ってしまいます。私はキャスティングやスタッフィングに、ストーリーとしての「最適」を求めるよりも、自分の作品のコンテキストを優先します。野島さんは、私の作品にズーッと出るというポジションにいます。とはいえ、これはズルズルの関係ではありません。事実、野島さんの方が、私なんかより随分活躍してますから。

東加奈子さんも、何かあったら出ていただきたい俳優の一人です。東さんはものすごく美人で可愛いくてチャーミングなのですが、お笑いが分かって、まあまあの毒を持っている方です。サラッと、まるで薄口の和ダシの様に下ネタも言います。私は東さんが演じるところをずっと見ていたい気分ですらあります。何と言いますか、何をしているわけでは無いシーンでも、何か面白いんですよね。たぶん、ラーメン屋に言って注文して、食べ終わるまでを撮影しただけでも、見ていられる映像になる気がします。だから、たまにテレビとかで東さんの使い方がズレているのを見ると「そうじゃないだろ!」と思ってしまいます。その一方で、何でもかんでもスタッフ寄りという訳でもありません。主張する時はしっかり主張するんです。ドMの私はそこに喜びすら感じます。おい!

佐藤藍子さんとは、横浜市の防災センターの映像を作った時に、初めてご一緒させて頂きました。本当にさっぱりとした素敵な方で、ああ!もう一度何かでご一緒させて頂きたい!と思っていたので、『SHELL and JOINT』でもお願いさせて頂きました。『SHELL and JOINT』では、かなり大人女性のエロスを語っているのですが、藍子さん始め、北川弘美さん、須藤温子さん、久住小春さんのチームによって、カラッと楽しい、そして深みのあるシーンになりました。私の中でもすごく好きなシーンで、これだけを抜き出して、深夜でいいのでテレビドラマシリーズとかにならないかな、とすら思います。気概のあるテレビプロデューサーの方がいたら連絡下さい。って、映画を見てもないのに無理ですねw。須藤温子さんは、温度感が私とかなり近いものを感じましたので、何かとんでもなくとんでもない作品が作れるんじゃないかとすら思いました。

今回、オスカーの方々にたくさん出ていただいたのは、工藤綾乃さんのマネージャーだった新谷さんのご尽力によるところが大きいです。新谷さんは今はアミューズに行ってしまいましたが、本当に担当の俳優さんのためだったら、いくらでも頭を下げる方です。本当にもの凄いです。新谷さんにお目にかかったのは、何年か前のショートショートフィルムフェスティバルでしたが、上映後にすぐにご挨拶に来られました。その当時、ショートショートフィルムフェスティバルで上映されている監督に挨拶にくるマネージャーの方なんて、新谷さんぐらいしかいませんでした。今だにいないんじゃないかと思うぐらい。『SHELL and JOINT』では、工藤綾乃さんのシーンに山崎紗彩さんも出て頂きました。「何なんだこの映画は?何なんだこの映画は?何なんだこの映画は?」と思って現場に行って撮影して、家に帰って「何だったんだあの映画は?」と思ったことでしょう。

野本かりあさんとは、『5+Camera』と『Matou』という短編映画でご一緒させて頂きました。『Matou』はいまだに時々上映のオファーがある息の長い映画です。今回は漁港の女役で出て頂きました。かなりメタファーが含まれているシーンなのですが、そのメタファーが分かるヒントを一つも入れてないので、何でそうなのか観ても全くわからないと思います。しかし、メチャクチャカッコいいシーンです。漁港に置いてあるカゴを蹴り飛ばすシーンなんて、本当にカッコいいです。ドMの私は震えましたね。おい!私がドMかどうかについては、永久にnoteに書きませんがね。野本さんも東さんと同じく、何をしているわけで無くても、ずっと観ていたいタイプの俳優の一人です。

そして、大駱駝艦の、高桑晶子さん、藤本梓さん、梁鐘譽さん。予告篇や映画祭の『SHELL and JOINT』の紹介で出てくる、上半身裸の舞踏のシーンなんですが、劇中で一番インパクトのあるシーンです。この作品を作る前に、シネマファイターズの『Kuu』で麿赤兒さんに出演して頂いていたので、マネージャーの渡邉さんにお願いして実現しました。振り付けも大駱駝艦の我妻恵美子さんにお願いしました。私の中では、白塗りの舞踏というのは、学生時代から「最もアートに近いところにあるもの」という認識でしたので、本当に感慨深かったです。撮影中も心の中で「スゲーな!スゲーな!」と思いながら撮っていました。究極は、大駱駝艦の方々をメインにした長編映画なんか作れたら最高だなと思います。だって、世田谷パブリックシアターの舞台は満席になるんですから。外国人の方もたくさん観に来ていました。

我修院達也さんとは、しまじろうの映画で、キャラクターの声をやって頂いてからのお付き合いになります。しまじろうの映画を作っている途中では『Octopus』という東加奈子さん主演の「下痢」をテーマにした映画にも出て頂き、最近もずっとレギュラーでナレーションをお願いしています。『SHELL and JOINT』での我修院さんは、マペットが出てくるシーンで、マペットの声をお願いしています。我修院さんのキャラクター声は本当に好きです。我修院さんと最初に声のニュアンスを決める時に基準となるのは、郷ひろみさんなんです。「高めの郷ひろみさんで」とか「郷ひろみさんとカエルの間ぐらい」とか「巻き舌がきつい郷ひろみさんで」とか。事実、郷ひろみさん基準で声を決めていくと方向性がハッキリするんです。それを携帯電話の向こうで我修院さんがやっているんです。後ろで駅のホームにいるであろう音がしている中で。

ここまでがオーディション以外でキャスティングさせて頂いた方々になります。「平林剛」という実の兄も名前を連ねてますが、普通にオーディションでエントリーしてきましたからね。

そしてこの後また、どこかのタイミングでオーディションに来て頂いた方々についても書いていきます。面白い話がいっぱいあります。

(写真はロッテルダム国際映画祭に来た工藤綾乃さん)



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