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未来のイブ

こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。

 11月のグループ展に出品する作品の紹介です。
展示、作品情報、価格に関しては当記事の最後に記載しております。

 ではタイトル、作品の情景、作者の作品に対する想いの順で紹介していきます。

過去と今と未来の形
(湛 _a_ 可変性単位)

 私はかつて植物だった。彼女もかつては植物だった。

 今はいったい何だろう?明日は?未来は?

 流転する命は様々な形をとり、そこに時間と空間の壁はなく常に世界と繋がっている。

『芭蕉』より

 猿楽師・金春禅竹の『芭蕉』とリラダンの『未来のイブ』に着想を得て描きました。
 金春禅竹の『芭蕉』は芭蕉が女性の姿に変身し、夜な夜な法華経を読経する僧に会いに来るお話です。
 世界の新陳代謝の中で人間である自分はかつて別の”モノ”だったし、植物はかつて人間であったこともあったでしょう。今は人も植物もそのような姿をしているけど、それもいっときの事です。細胞は日々更新され、昨日の自分の構成要素は代謝により排泄され、今日はまた新しい細胞で構成されています。
 そうであるなら人間と植物、あるいはその他すべてのものとの違いとは何なのでしょうか?
 それらは差があるなんてものでなく、この世界で流動するすべての中にあって”ひとつ”なのではないかと思うのです。
 身の回りにあるものすべてが私とつながっていている感覚。そこには境界などなく、かえって人が作り出した境界という概念(場)において混沌として現れるのです。そしてタイトルにもあるようにそんな感覚(場)においては時間すらももはや意味を成さないのです。

 以上のようなイメージを少女の体のなかに植物が茂っている様で表現しています。

アンドロイド

 そして、もうひとつのイメージのもととなった未来のイブについてです。
 以前から私は作中に登場する少女にすこし人形っぽさをもたせています。見てくださる人の感情や記憶の受け皿になるように空白を残しておくためです。『未来のイブ』に登場するアンドロイドは可変性単位と呼ばれており、所有者によってアンドロイドの性格が変わることを示しています。

 アンドロイドという機械ですらこの世界を構成する要素です。動物や植物を愛でるように目の前にいる自動人形もとても愛おしい存在です。

 本作を見てくださる皆様にもそれぞれの思いを投影していただけたらいいなという思いです。


 本作は2022年11月11日から大阪のギャラリーベルンアートで展示されますので、是非実物もご高覧いただけましたら幸いです。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。ベルンアートの展示に出す作品は計5点です。以降も作品の紹介をしてまいりますので、次の記事も宜しくお願いいたします!

【作品情報】

タイトル:過去と今と未来の形 (湛 _a_ 可変性単位)
サイズ:P6 号(410*273mm)
技法:パネルに油彩
価格:165,000 円(150,000 円 + 税)

作品の購入に関しては私、もしくはギャラリーベルンアートへお問い合わせ下さい。 

ギャラリーベルンアート
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満 4-2-4 ( 美術ビル 2F)
電話:06-6361-5507
web:https://www.gallery-bernart.com/

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