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楽園のベッド

今回も記事にお越しいただきありあがとうございます。
 2023年5月15日月曜日からの個展作品のご紹介です。
 展示と作品詳細は文末に掲載しておりますので、そちらもご覧ください。

楽園に眠る (岐 _a_ 生命のしとね)

楽園のアンビバレンス

少女は生じると同時に少女は滅す

アンビバレンス

 楽園に敷かれた緑の褥(しとね)に少女は眠ります。
 少女は今ここに生じました。
 彼女はまだ世界と繋がっています。まだ起き上がる力はありません。ただただ世界に身を任せるのみです。
 蝶々が生命力を注ぎます。
 周囲の蓮華は少女がこれから世界で輝くことを暗示するかのように瑞々しい花弁を開きます。

 楽園に敷かれた緑の褥(しとね)に少女は眠ります。
 少女はこれから世界とひとつに溶け合いつつあります。
 彼女は世界と繋がりつつあります。もう起き上がる力は湧きません。
 蝶々は少女の生命力が外へと漏れ出ていくように散り散りに飛び去ります。
 周囲の蓮華は少女に呼応し花弁を全開にし今まさに地に落ちようとしています。

理想郷の末路は?

 横長の絵ですが、縦方向の動きを意識した作品です。
極かすかにですが、少女に柔らかいスポットライトが当たるように光量を調整しています。加えて蝶々を縦方向に配置することで強調しています。
 この縦の動きは少女が葉(地面)に溶けていく下方への動きと、少女が空を見つめその先に何かを思い描いているような上方への動きを表し、寝ポーズの横方向への単調な動きに複雑さを加えます。

 晴れ渡る高原の地で横になって大地を感じつつ空を仰ぐ。その心地良さも表現したいポイントでした。それは作中の少女の安らかな夢心地の状態に通じています。この地は楽園ですのでなんの苦もなくただただ平穏でいられます。

 下の作品は2014年に描いた後戸を描いた作品ですが、本作との寝ポーズの作品との比較のために掲載しますね。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 今回はあまり描かない寝ポーズの作品でした。個展に出す他の作品と比べてどのような印象を持たれましたでしょうか?
 それでは今後の記事も宜しくお願い致します。

【作品情報】

タイトル:楽園に眠る (岐 _a_ 生命のしとね)
サイズ:M6 号(410*242)
技法:パネルに油彩
価格:198,000 円(180,000 円 + 税)

【展示情報】

『平林孝央個展 “世界”の繭』

会期:2023.5.15(月)〜21(日) ※会期中無休
時間:11:00〜19:00  ※最終日は16:00まで
会場: 銀座月光荘・画室Ⅰ 〒104-0061東京都中央区銀座8-7-2 地下1階
   (〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目7−2 1F・B1F 永寿ビル)


購入など作品に関するお問い合わせは下記画廊までお願い致します。
◆ギャラリーサイト(すみれ画廊)
http://gallerysumire.squarespace.com/jp/shop/takahiro-hirabayashi2023

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