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世界の体内で

 今回も記事にお越しいただきありあがとうございます。
 2023年5月15日月曜日からの個展作品のご紹介です。
 展示と作品詳細は文末に掲載しておりますので、そちらもご覧ください。

花の繭から孵 ( かえ ) る (岐 _a_ 繋がる生命)

世界の体内ですべては繋がっている

ここに生まれた新たな生命もかつて存在しており、また生まれた

絶え間なく更新される私たちの細胞のように

この世界でも日々生命は更新されている

世界の体の中で

 楽園の花からまた新たな生命が生まれました。幾重にも連なる運命の輪はまた回り始めます。
 ひとつの世界の中で全ては循環しています。かつて別の星だったものが今の私の一部を構成し、その私の一部ももう明日には私ではくなります。食物連鎖により私たちの体は他の生命を摂取することで維持され、もちろん他の生命も同じように他の生命に依存し生きています。生命は死してもその構成要素自体は世界の中に存在し続けます。
 ですから、世界をひとつの生命体とみなすと、その世界の体内で人間を始め様々な生き物は世界の構成要素として常に私は世界の中に存在しています。そして、もういなくなってしまったあの人も会えないけれど同じ世界に存在しているのです。
 今私の眼の前にいる少女はそんな会いたかった少女なのかもしれません。彼女を目の前にすると胸が締め付けられるくらい懐かしい記憶が蘇ります。

 少女の手が作る花の形は、少女が只今咲いたばかりの花であり、これからまた咲くであろう新たな生命を暗示しています。舞う金魚は生命の連鎖を象徴するように少女の周りを飛んでいます(もしかしたら、ここは水中で金魚は泳いでいるのかもしれません。少女が水中にいるのでしょうか。)
 このはなの咲く地もかつては別の生命だったのでしょうが、今は私の懐かしい記憶を喚起する懐かしの地であり、生まれた場所、すなわち還るべき、ここで死すべき場所なのでしょう。それくらいの親近感をもって私を受け入れてくれる地なのです。

 こちらに同系統の作品の記事も貼っておきます。よろしければご覧ください。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 ただ今この記事を書いているのが5月14日で、明日が個展初日です。今回の個展は画廊の方の要望もあり、なるべく少女のポージングや世界観の偏りがないようそれぞれの作品を描きました。独りで描いていると結構な偏りが出ます(笑)それはともかく、様々なバリエーションを描く中で、作品同士のつながりが自分の中で少しずつ明白になってました。今回の個展ではそういう観点でも鑑賞していただけましたら幸いです。
 それでは今後の記事も宜しくお願い致します。

【作品情報】

タイトル:花の繭から孵 ( かえ ) る (岐 _a_ 繋がる生命)
サイズ:S4 号(333*333)
技法:パネルに油彩
価格:198,000 円(180,000 円 + 税)

【展示情報】

『平林孝央個展 “世界”の繭』

会期:2023.5.15(月)〜21(日) ※会期中無休
時間:11:00〜19:00  ※最終日は16:00まで
会場: 銀座月光荘・画室Ⅰ 〒104-0061東京都中央区銀座8-7-2 地下1階
   (〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目7−2 1F・B1F 永寿ビル)


購入など作品に関するお問い合わせは下記画廊までお願い致します。
◆ギャラリーサイト(すみれ画廊)
http://gallerysumire.squarespace.com/jp/shop/takahiro-hirabayashi2023

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