なぜ講師になったか?辞めたいと思ったことはあるか?

「せっかく会計士試験に合格したのに、なぜ講師になったんですか?」

「忙しそうですが、辛い時とかないんですか?」

「自分はもしかしたら監査が向いてないのではと感じるんですが、先生は講師を辞めたくなったことはありますか?」

受講生さんや合格者の方からたまに質問されるので、まとめておきます。

仕事がうまく行かず、転職をするか迷っている監査法人スタッフの方にも、参考になれば幸いです。

1. 講師を志した理由

論文式試験1週間後の日曜午後に、講師採用説明会・面接でした。2日前の金曜日、就職サポートの相澤さんと2時間話し込んで、講師へチャレンジすることを決めました。

決め手は、大まかにいうと、以下の3つです。

(1) 自分の特技・強み

小さい頃から、人の顔を覚えるのが得意でした。一度覚えたら保育園の友達なども10年以上忘れず、高校時代は応援団で1つ下の学年を数ヶ月で42名×4クラス分覚えて驚かれていたので、自分の特技なんだなと認識しました。

先生に顔を覚えてもらえると私はとても嬉しかったので、講師になったら、監査法人での仕事よりも特技が活かせるのでは?と思いました。

また、試験勉強半ばで挫折した経験があり、会計士を目指してから合格まで長く掛かったことが、講師なら逆に強みにできるのではと考えました。
(講師になってみたら、同期の簿記鈴木先生も撤退経験があり、意気投合しました)

(2) 会計士として何かわかりやすい特徴・強みがほしい

講師として財務理論を学び直し、いろんな方と出会うことで、長い目で見ると実務でも違った戦い方ができるのでは?と考えました。

保育士のインターン1週間のみで職歴なし30歳合格だったため、一回り近く若い子達と完全に横並びで監査法人に入ることに、少々不安を感じていたのもあります。
(入ってみたら、30代は意外なほど多かったです)

講師2年目からは業務受託で監査法人にも行けると聞いたので、飛び込んでみるか!と考えました。

(3) 恩師の先生方と、一緒に働いてみたい

一番の理由です。

「え、先生方と同僚になれるの?何それ楽しそう!」

と率直に思いました。

お世話になった先生方が皆さん素敵で、
「講師は自分が好きで続けている仕事だから」
とよく言われていました。

(今考えると、実務もしつつ、毎週の作問や原稿業務の大変さなど微塵も感じさせずに、毎回丁寧に対応してくださっていたんだなーと思います…)

これまで8年間働いてみて

よく講師仲間から「平林さんほんと天職だよねー」と言われます。自分でも、
✅できること
✅やりたいこと
✅社会から求められていること
が、ありがたいことに今ちょうど重なっている実感があります。

講師として働くことで、これまで2,800名ほどの受講生さん、うち730名ほどの合格者と出会いました。自分だからできることがまだあるはず、お世話になった母校を盛り上げるためにも長く続けたいと感じています。

受験生の人生のターニングポイントに立ち会うという講師としての仕事だけでなく、マーケティング・講座全体の経営企画の仕事も携わるようになり、マンネリ化とは無縁で日々やり甲斐が増しています。

同僚の講師陣は、想像していた以上に愉快かつストイックで、仕事仲間というよりも部活仲間の感覚に近いです。(特に関東簿記チームは、14名もいて年齢やバックグラウンドも多様であるにも関わらず、たまにみんなでプライベートの旅行に行くほど仲が良いのには驚きました。。)

ただ、これまでの講師生活で、
講師を辞めた方がいいのかな、向いてないのかな
という考えがよぎった時期もありました。

2. 一番きつかった3年目

講師として働き始めて3年目、2019年のことです。

他の先生の問題に対する校正には自信があったものの、自分でイチからの論文答練作問が、うまく進みませんでした。

夜に講師室に残って一人で原稿の手直し作業をしていたら、考えれば考えるほど、原稿をほぼ白紙に戻した方が良さそうだと感じ、完全に行き詰まることが度々ありました。

明け方、睡眠不足もあいまって
「3年目でもこの状態か…いっそ講師を辞めた方が迷惑が掛からないのでは」
とぼろぼろ泣けてきたことも一度ありました。

今思うと、きちんと寝た方が原稿の質も上がって思い詰めることもなかったはずですが、その頃はとにかく必死でした…

辞めずに続けた理由

水道橋・立川や町田等で受講生さんと接することで自分自身元気をもらっていたのと、ほぼ毎日講師室で会っていた、講師仲間のおかげです。

同じ科目の先輩が根気強く付き合ってくれただけでなく、他の科目の先輩/同期/後輩も、一緒に軽くお昼ごはんや飲みに行ったり、原稿作業の合間にちょこっと軽口を言い合ったりアドバイスをもらうことで、毎日支えられていました。

もし一人で抱えていたら、早々に潰れてしまっていたはずです。

さらにその後、コロナ禍もあいまって、仕事内容が徐々に変わっていきました。

2019年 夏 関東12校舎の質問コーナー待機開始
2020年
4月 緊急事態宣言 オンライン質問/個別相談開始
8月 受講生向けオンラインセミナー開始
2021年
7月 受講生向け公式LINE開始
12月 Twitter・財理/学習法LINEオープンチャット開始
2022年 全国出張開始
2023年
2月 TAC取締役会部会 会計士プロジェクト参加
4月 Instagram開始
11月 受験生/合格者交流会 企画開始
2024年
3月 一部提携校出張開始
6月 note開始

チームの先輩・講師仲間やTACの事務局さん達も、いろんなアイデアを都度応援・協力してくださいました。

その結果、主に作問以外の面でチームや講座に貢献できるようになった、というのがこれまでの経緯です。

今では、前述したとおり、経営企画的な仕事も増えて仕事内容は以前と大きく様変わりしましたが、TACでの仕事が天職と感じます。

また、苦しみながらも数年間作問と奮闘した経験が、文章を書く際や添削・質問対応等にあたり、自分の土台となっています。

3. 転職しようか悩んでいる方へ

✅まずは体調が優先

私もそうでしたが、
睡眠不足だと大抵思い詰めてしまいます。よく寝ましょう〜
また、自重でも筋トレを多少している合格者の方は、なんだかんだ楽しそうに監査を長く続けている印象です。試しに始めてみてください👍

✅チーム内外へ、こまめに相談

信頼できる方がチームやチーム外にいらっしゃる場合は、まずは軽くでも話してみてください。

もしかしたら、自分でも気が付かなかった得意分野や考えてもみなかった働き方など、同じ法人でも違う形で貢献できるかもしれません。

個人的には、もし体調に問題がなければ、上場会社のインチャージまで、できれば頑張ってみてほしいなと感じます。見える世界・感じられる監査の面白みや、転職する場合でもその後の仕事の幅・深みが、全く異なるようです。

(もし強烈に興味がある分野やどうしても急ぎで掴まないといけないチャンスがあるなら、そちらへ進むのもアリだとは思います)

✅TACの飲み会へ遊びに来てくださいー

私がたまに個人的に開いている会計士受験生・合格者交流会は、合格者はいつでも参加可能です。気軽に話しに来てくださいー👍他の法人や、組織内会計士の方の話も聞けます。

ちなみに次回は、近いですが、
7/1(月)19時-22時 新宿西口です。
簿記の小野先生と一緒に、
25目標生/合格者交流会を企画しました。

▼7/1(月)新宿交流会登録フォーム
https://docs.google.com/forms/d/1Vqnvl4aXJor5rqQ7iljd8NO-k2rUTH5DwAfFaZGOA8s/viewform


以上、私は会計士の中ではかなり特殊なケースですが、少しでも参考になれば幸いです。合格後も卒業生の皆さんが長く元気に活躍できるように、サポートしていけたらと願っています。

私は明確なキャリアプランがあった訳ではないですが、体調と仕事自体のやり甲斐の他、結局は一緒に働く人が大事と感じます。
業務受託で勤務した監査法人でも素敵なチームに配属していただいて、尊敬できる会計士さんに沢山出会いました。
受験生の方も、楽しみにしていてください👍✨

長文読んでくださってありがとうございました!

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