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100万回キックを蹴る男・進撃のYは”凡人のヒーロー”なんだと思う

■「もしもヘタクソが100万回キックを練習したら?」

このチャンネルを知っているだろうか?
チャンネル主”進撃のY”は元々は、そこそこサッカーができる、決して”上手い”とは言えないプレイヤーだった。
そんな彼が5年前に始めた挑戦が、「もしもヘタクソが100万回キックを練習したら?」という動画シリーズだ。

この動画で、彼はもうすぐキック7万回を迎えるのだが、今では「無回転キック」「アウトカーブ」「縦回転」といった、数々の魔球とも呼べるキックを習得している。

今ではこのチャンネルのYouTubeの登録者数は12.8万人を超えており、多くの人から応援を受けている。
今回、縁があってそんな彼の本を編集することになった。

タイトルは『ゼロからの進撃〜1,000,000回への挑戦〜』

そんな彼との出会いと、彼についてを書き記していこうと思う。

■”進撃のY”との出会い

進撃のYというのはチャンネルの名前で、挑戦している彼の名は矢部光太朗(やべこうたろう)
いつもサッカーの練習かギターの練習をしている、割と変人である。

僕が彼と出会ったのは、大学サッカー部でのこと。
彼が入部してきたのは、僕が4年の時だったので僅か1年間のみしか一緒にプレーはしていないが、彼の印象は強烈に残っている。

最初に驚いたのは、彼が年上であったこと。
1浪や2浪している部員はいたが、彼は他大学から編入の上、僕の2つ上。
”年上の後輩”というやつだった。

なぜサッカー部に?とも思ったが、彼がひたすらに練習に向き合う姿勢を見て、「相当サッカーが好きなんだなあ」と感じた。
しかし実力の方は…正直にいうと、そこまで高くはなく。最初の頃はよく怪我もしていて、「大丈夫かなあ、いずれ辞めちゃわないかな」と心配していた。

そんな中、”進撃のY”こと矢部光太朗とプレーして半年近くが経ったある試合で、彼の見方は大きく変わった。
今まで、練習試合でもあまりパッとせず、それでもチーム練習後にひたすら個人練習をしている”ちょっとした変人”が、めちゃくちゃ綺麗な形でゴールを決めたのだ。
それはリーグ戦でもないただの練習試合だったが、「努力って本当に報われるんだな」と強く感じたのを覚えている。

それと同時に、僕は彼のファンになっていた。
ただの後輩ではなく、彼が活躍すると何だか胸が熱くなるのを感じるようになった

■”進撃のY”という存在

その後、僕はサッカー部を引退。
矢部くんとは、ちょくちょくと連絡をとりながらも彼が部活でどう活躍しているのかを聞いていた。

そんなある日、この記事の最初に載せた動画を目にする。
その時点で動画は数十万回の再生回数をカウントしており、バズっていた。

「これ、やべっちじゃん」

そう驚きつつも、「あいつなら、こういう挑戦をしてもおかしくない」とどこか納得めいたものもあった。尋常じゃない努力量と、ひたむきさを見ていた僕は、彼が世間に認められることに少し喜びも感じていた。

なぜ、僕は彼を応援するのか。
なぜ、彼の活躍は胸が熱くなるのか。
なぜ、彼の挑戦に心を動かされるのか。

それは、彼が”凡人のヒーロー”であるからだと思う。
特別な肩書きもなく、経歴もなく、そしてめちゃくちゃ上手いわけでもなく…(今はだいぶ上手いけど)

そんな彼が努力によって成長していく姿は、多くの人間が自身を重ね合わせやすいのだと思う。

■オーストラリアへの挑戦

そんな彼からオーストラリアへと渡ることを聞かされたのは、2020年の3月ごろ。コロナによる本格的な渡航制限がかかる直前だった。

「僕、オーストラリアのチームと契約することになりました」

この話を聞いた時、驚きと同時に嬉しさが込み上げてきた。
あのやべっちが、遂に海外チームと契約…。凡人も努力によって何者かに変わることができる。彼を見ているとそれを強く感じる。そして希望に溢れる前途を期待し、彼をオーストラリアへと見送ったのだ。

しかし、状況は一変する。

コロナウィルスにより、彼の所属するリーグは開催が延期。
やっと掴んだ栄光なのに、これからなのに…僕はものすごくやるせなさを感じたのだが…一方で彼はそこまで落ち込んでいなかった。
未曾有の事態の中でも、彼は淡々とサッカーとギターの練習を続けていた。。

そしてそんな時に、KADOKAWAの酒井陽さんから、”進撃のY”書籍化企画の話をいただいたのだった。

■『ゼロからの進撃』

こうして、約1年近くで書き上がったのが『ゼロからの進撃』という本な訳で。

・「もしもヘタクソが100万回キックを練習したら?」をなぜ始めたのか?
・そもそも、”進撃のY”はどんな人生を歩んできたのか?
・なぜそんなに努力できるのか?
・どうすればあんな風にキックを蹴れるのか?

進撃のYの人生・考え方・キック…
誰しもが自分を重ね合わせられる、凡人のヒーロー”進撃のY”の秘密を知れば、きっと人生をちょっと前向きに捉えることができるようになるはず…

今から、挑戦しよう。


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