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【じーじのボヤキ】 前編:後悔ばかりの新婚旅行 ~挽回できるもんやで~
(じーじ)じーじとばーばはね、新婚旅行でロスとハワイに行ったんだよ。
(孫)へー。ばーばと行ったの?
(じーじ)そらそうでしょ。でもね、じーじはばーばを泣かしてしまったんだよね。
(ばーば)本当にじーじは困った人よ!
(孫)どうしたの?教えて、教えて。
私たちは夫婦は、1986年5月に結婚式を挙げました。
1985年のプラザ合意によって一気に円高が進み、この頃から海外旅行が楽しめる時代に突入していきました。
1ドル240円だったのが1年で一気に150円まで円高が進んだということは、海外旅行が一気に4割値下げされたようなものでした。
私たち夫婦は、親のスネもかじって、新婚旅行に海外旅行を申し込みました。ロス・ハワイ7日間の旅でした。
80年代半ばまでの日本の労働者は、会社のためにワーカホリックと呼ばれるくらい働き、各自の属人的な工夫力と長時間労働、ムラの結束力で経済絶好調でした。
そんな当時の会社内では、まだまだ年次有給休暇は、積極的に使うものではありませんでした。
会社を休むなどというのは「悪」であり、新婚旅行であろうが、2泊3日程度の国内旅行が一般的で、ウィークデーに2日休むくらいが常識といった時代でした。
そこに入社3年目の若造が「ウィークデーを全部休む9連休」を申請してきたのです。
当時の上司泣かせだったと思いますよ。だけど、この若造は口がたつ。
上司を説得して、しぶしぶハンコを押させました。
当時は先輩方から嫌味や皮肉を言われましたが、私の後に結婚する人たちは9連休を取るのが当たり前になりました。
私が前例となり、前例踏襲された訳です。
さて、その新婚旅行が大変だったのです。
ロス行きの飛行機の中で、奥歯がずきずきと痛み始めました。
心臓がもう一つできたように歯が痛み、よく眠れませんでした。
ロスに着いてからも食事を取ることもままならない程歯が痛み、そして3日目。妻が楽しみにしていた丸1日ディスニーランドの日になりました。
とうとうその日に我慢できなくなり、添乗員の人に「日本語の分かる歯医者さんを手配していただけませんか?」とお願いしました。
予約してくれた歯医者の住所を書いた紙をタクシー運転手に見せて連れていってくれた先の先生は、ラストネームが日本語名の日系3世の方でした。
分かる日本語は「イタイ」だけ。「イタイデスカ?」「痛いです。」しか日本語での対話はできませんでした。
何を説明しているのかはさっぱり分かりませんでした。
レントゲン写真を見ながら「インパクション」といった、ところどころ分かる単語があるので、神経を刺激しているんだろうなと想像しながら聞き、ひたすら「Yes」「Yes」と同意していった結果、虫歯を抜かれました。
ホテルに帰って「ちょっとだけ休ませて、ディズニーランドはすぐそこに見えているから昼からでもいいよね。」と言って部屋に戻って横になろうとしたその時、体がしびれて動けなくなりました。
「ごめん、廊下に出て、Help meと言って誰か呼んできて」
妻は、廊下で「Help me!」と叫び、メードさんを連れてきてくれました。男が床に倒れて頬を押さえている様子を見て、強盗に殴り倒されたと勘違いしたメイドさんは、慌てて部屋の電話でどこかに連絡しました。
「What happened?」と米国映画に出てきそうな120~130kgはありそうな巨漢のポリスマンが入ってきました。
ところが私も妻もろくに英語が話せません。添乗員さんもパックツアー参加者を連れてディスニーランド。当時は携帯電話もなし。
「Japanese please!」と言うのが精一杯でした。
日本語のできるスタッフが来てくれて、歯医者に電話をしてくれました。
「麻酔が強すぎたかもしれないので、しばらく休んでいてください。それでも治らなかったらまた連絡してくださいと言っています。」と通訳してくれました。
死んだように眠って目が覚めた時には楽になっていました。
だけどもう夕方でした。
「ごめんよ。もう大丈夫だから今からディズニーランドへ行こう。」と妻を連れて歩いてディズニーランドへ行きました。
閉園までまだ30分あると思ってチケット売り場に急ぎました。でも売ってくれません。
「入ってすぐ閉園なのでもったいないから明日購入しろ」といったことを言ってくれていたように思います。
「俺には今日しかないんだ、つべこべ言わずに売ってくれ」といった複雑な英語は口をついて出てこず「Thank you」と言って退散。
その夜、ベッドで妻は私に背を向けて泣きました。
(ばーば)虫歯は新婚旅行前に治療しとけってことよね。(ばーばのボヤキ?)
(孫)それからどうなったの?
(じーじ)ホノルルに着いた時には、歯の痛みはすっかり消えて元気になったんだ。この新婚旅行の汚名返上のいい話もあるんだけど聞きたい?
(孫)聞かせて。
ちょっと長くなりすぎちゃったので「つづき」は明日。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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