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【じーじは見た!】前編:人材版伊藤レポート2.0に見る伊藤邦雄さんの想い⁉(人はコストじゃねえ!)

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉

昨年春に人材版伊藤レポートをこんな風に紹介しました。

人材版伊藤レポートのバージョン2「人材版伊藤レポート2.0」は、人的資本経営の実現に向けた検討会の報告書として上記投稿の直後の2022年5月13日に公表されました。

冒頭の伊藤邦雄さんのコメントを通して新バージョンに込めた想いを見ていくことにしましょう。

✅伊藤レポートって?

サステナビリティの伊藤先生、伊藤邦雄さんが政府の仕事として経済産業省から出した「伊藤レポート」は2014年に「『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』プロジェクト」の最終報告書として公表されたレポートの総称です。

2015年のSDGsやパリ協定を先取りしたレポートとして、はたまた社会課題を解決しながら商売も繁盛する「価値創造」のフレームワークとしても有名になりました。

1986年当時、中曽根首相の諮問機関である「国際協調のための経済構造調整研究会」がまとめた報告書を座長の日銀総裁だった前川さんにちなんで前川レポートと呼んで以来ではないかと言われているくらい経済界に影響を与えたレポートが伊藤レポートであり「人材版伊藤レポート」でもあるのです。

本家伊藤レポートの方はバージョン2が2017年に公表され、バージョン3が2022年8月31日に「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」として公表されています。

✅人材版伊藤レポート2.0の策定に寄せて①

2020 年9月に経済産業省の「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」の成果として「人材版伊藤レポート」を公表した。お蔭様で同レポートは、想定を超えて多くの経営者や人事担当者等の皆さんの目に止まった。私の知っている少なからぬ経営者から、「読みま した。レポートを人事部門に回して、よく読む ように言っておきました」という趣旨の反応を 異口同音に寄せていただいた。
印象的だったのは、2022 年1月に開かれたある政府の会議で、参加メンバーの一人が、同レポートに触れて、次のように発言したことだった。「企業経営者や人事部門の方たちと会っていると、人材版伊藤レポートの話がよく出てくる。その影響力はすさまじく“破壊力”といってもいいくらいのインパクトを与えている。」
同レポートが「破壊力」を持っているかどうかは別として、多くの関係者の皆さんにインパクトを与えたのであれば、嬉しい限りである。そういえば公表後、レポートが強調した「人的資本」「人的資本経営」という言葉が頻繁に使われるようになったとの印象を持っているのは私だけではないだろう。

人材版伊藤レポート2.0より引用①

日本では人を大切にしない会社に限って人材を「人財」と書いて建前だけの口だけ企業がよくありますが、そんなごまかしができなくなります。

伊藤レポートは有価証券報告書で人的資本の開示を求めるところまでの影響を与えましたから金商法が変更されて人的資本に関連する情報開示が始まります。

「なんだ格好いいことばかりホームページでは書いていたけど、あの会社は社員教育に時間もコストも掛けていないじゃないか」だとか、
「男女の賃金格差がこんなにすごい会社だったんだ」だとか、
「女性管理職比率がこんなに低いのによくもダイバーシティに力を入れていますなんて言っていたものだ」だとか、
「この会社は、社員とのエンゲージメント調査結果を公表していないのは口だけ企業なのかな」といった目で見られるようになるので、取り繕っても、もうバレバレになっていきます。

中小企業基本法で既得権益を守られてきた中小企業は「そんなの関係ねえ」なのですけどね。

✅人材版伊藤レポート2.0の策定に寄せて②

「企業は人なり」「人材は石垣」、わが国には人を大事にする言葉やことわざが 色々ある。とはいえ、人材の一人ひとりと向き合い、その価値を見出し伸ばす経営を実践してきたかが、いま真に問われている。日本企業は総じて社員を本当に大事にしてきただろうか。「人に優しい」との評判は「都市伝説」だったのか。 確かに不条理に社員を辞めさせることはなかったが。

日本企業は社員を大事にし、長期雇用するスタイルが競争力の源泉だとして
世界から注目された時代も現にあった。それは、かつて「日本的経営」として称賛された。しかし、時代が変わり、経営環境が変わり、人々の価値観も変わる中で、日本企業の是とされた人材施策は様々なほころびを露呈した。

こうした問題意識から、2019 年に上記の研究会が組成され、それが「人材版伊藤レポート」へとつながった。座長を任された私は、従来のパラダイムを引きずった議論は生産的ではないし、エキサイティングでもないと判断し、新たな視点を持ち込むことにした。

人材版伊藤レポート2.0より引用②

何だかんだと言っても戦後復興を支えた昭和人にとっては会社というムラは心地良いんですよ。

そのムラにどっぷりと入っていれば、世界基準の能力を伸ばす必要もなければ、貪欲に新たなことに無理して挑戦しなくても、上の言うことに従順で、前例を重視して「ムラでのみ通用するスキル」を身に着けておけば良かったのです。

属人化・部分最適・長時間労働の3種の神器と家庭内役割分担で男は死に物狂いで会社に時間を捧げ、家事・育児を女性が担当するという日本モデルが通用していたのは1985年まででした。

その後は40年近くの無成長。その原因は人的資本が他の国のようには伸びてこなかったという現実があるのです。

さあ、後編でも伊藤先生の想いを確認していきましょう。

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