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【じーじのもろもろ】不正のトライアングルを考えさせられた⁉

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです。

山口県阿武町の誤送金に伴い田口翔容疑者が4,630万円もの大金をネットカジノですってしまった事件や東京国税局の職員などが逮捕された持続化給付金詐欺事件はまだまだ記憶に新しいところです。

じーじは、この両事件で犯人はもちろん許せませんが、別の問題を感じたのです。

「不正のトライアングル」という言葉をご存知でしょうか?

アメリカの犯罪学者ドナルド・クレッシー(Donald R. Cressey)氏が提唱した理論をもとに会計学者のスティーブ・アルブレヒト(W. Steve Albrecht)氏がモデル化したのが「Fraud Triangle」と呼ばれる直訳すると詐欺の三角形理論です。

これは、人は三つの重要な要因が揃ったときに不正に走ってしまうので、三つの要因が揃わないようにすることが不正に走らせない対策として重要だというものです。

その3つの要因というのが、
1つ目が「動機」あるいは「圧力」です。
2つ目が「機会」そして
3つ目が「正当化」です。

☆☆☆

例えば、田口容疑者のケースの場合、誤送金ではあっても4,630万円もの大金を手にしたことで「機会」が勝手に向こうからやってきました。

報道によれば、町役場の人に連れられて最初は銀行まで一緒に行って返金に応じようとしたものの町役場の方からの上から目線の言動に腹を立てた(記事で見ただけで本人に聞いていないので本当に腹を立てたのかどうかは知りませんよ)ことで「俺が何か悪いことしたのか?間違ったのはお前たちじゃないか」という自己「正当化」が働きました。

ネットカジノに送金してカジノで賭け事をやれる手続きを知っていて、大金を使って賭けをして勝てば、元金を返して自分も大金持ちになれる可能性があるという「動機」まで揃ってしまい、犯罪が起こってしまいました。

最近になって、田口容疑者だけでなく、未だにフロッピーディスクを使用した古い送金システムを使っていた町の不作為にも批判が集まっています。

しかし、昭和人が牛耳る組織では、DXだWEBだと言っても判断できない人が上に立っている訳で、ある意味「前例を続けてきて何が悪い」と思っているハズです。

間違ってオペレーションしてしまった個人が責められていないか?
責任を感じ過ぎないでくださいよ⁉

★☆☆

一方、国税庁職員は、送金ミスした担当者とは違って絶対に許すことはできません。しかし、ここにも「動機」「機会」「正当化」が揃っています。

持続化給付金は給付のスピードを重視するあまり、審査がザルになっているとの指摘は当初からあったものの、官邸としてはスピードを重視した訳です。

当然、不正が起こることは織り込み済みで、怪しいものは後で取り締まればよいという方針であったようですから悪い事をして持続化給付金をせしめてやろうという輩には「機会」が提供されていたようなものでした。

更に、日本もマイナンバーカードを使って米国のIRS(歳入庁)のような迅速なサービスをやりたかったのは山々なれど、カードの普及に反対する人が多くて、確定申告の電子化も進んでいません。つまり不正チェックの国税局での業務のやり方が昔ながらの人海戦術で絶対的に人手が足りません。

▼マイナンバーカード利用促進を阻止する厚労省👇

そういった現状の脆弱性を税務署で税金を徴収する徴収部門に所属していた塚本容疑者はよく知っていた訳で「動機」が揃いました。

そして、日ごろの勤務ぶりまでは分かりませんが、仕事への不満を持っていたかもしれませんし、「困っている大学生にだってありがたいこと」といった身勝手な自己「正当化」も揃ってしまったのではないかと思います。

これらの犯罪は実は「機会」を潰すことが最も効果的で重要な防止策になります。性善説だけではどうしても犯罪が抑止できません。

フロッピーを使ったシステムに頼らなくて済むように、そして国税庁の業務のデジタル化を進めて、間違いや不正がやりたくてもやれない「機会」を無くすことをしっかりと進めてもらいたいと思いました。

☆★☆

話は変わりますが、阿武町が雇った弁護士さんは優秀な方でしたね。全額を法的に回収してしまいましたからね。

しかもネットカジノですってしまった分を本人からではなくネットカジノに送金することを仲介していた「決済代行の仲介業者」から返金させちゃいましたからね。

田口容疑者は、バカみたいにあれだけの大金を全額すってしまって口座には7万円しか残っていなかったので彼を訴えたところで時間だけ掛かって実質回収不能だった訳ですから、賢い弁護士さんによる、税金の滞納に関することがらを規定した「国税徴収法」を使った回収は実に見事でした。

滞納者の財産を調査する目的で、帳簿書類の検査を行うことを認めている第141条の規定に基づき、誤送金が行われた容疑者の口座がある銀行に情報提供を求め、決済代行業者3社を突き止めたのでした。

さらにこの3社に対して同法第47条に基づく「差押」に動きました。田口容疑者とこれら決済代行業者が「委任関係」にあった、すなわち給付金を振り替えた業者の銀行口座は、実質的に容疑者の口座だとみなし、その差し押さえ・取り立て処分を行ったのでした。

その結果、3社から容疑者が海外のカジノですってしまった全額の約4,300万円が取り立てでき、町の口座に「返還」されたのでした。返金時点では、法的にはいぜん田口容疑者の財産となるため、町は容疑者の債権差し押さえの手続きを行い、6月8日に正式な回収(法的回収)が完了したそうです。

残りの三百数十万円分も法的に回収が完了したとのことで7万円しかもっていなかった田口容疑者からではなく、他から全額を回収完了してしまった弁護士さん、本当に「あっぱれ」でした。

グレーなことをやっている決済代行業者が、巻き込まれるのを懸念して「返金に応じるだろう」ことを予測した見事な対応と言うしかありません。

☆☆★

国税庁職員の犯罪ケースは、質が悪い事件でした。

不正に加担することになった大学生が申し出てくれたお陰で悪事が露見したわけですが、今回の大学生のように申し出る方の出現がなければ不正を見抜くのは難しかったとの指摘もあります。

今後、類似の偽造された確定申告書を発見するためには、利益ゼロの個人事業主の確定申告書を穴が開くほど人の目でチェックしなければならなくなった国税庁職員にとっては、今でも業務が膨大なのに更に余分な仕事が増えて超多忙な日々が待っているハズです。それが新たな「自己正当化」に結びつかなければいいのになと暗い気持ちになりました。

今回だけは決め台詞を変えます。

頑張れデジタル庁!

★★★
(おまけ)

▼昨日「おめでとうございます!」通知を2ついただきました。
沢山のスキをありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

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