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映画にもならない私たちのこと 追加物語 1

2023年12月28日に
最悪な終わりを遂げてから3ヶ月

2024年3月26日の早朝、
キューピットだった親友が、
狐を連れて私の新居にやって来た。
25日深夜、狐と飲んでいた親友に、
「狐が私に何の感情も湧かないならセフレになろうって言っといて!!」
と言ってしまったからだ。

そう、全員酔っていたのだ。
酒は人をだめにするな、ヨギボーよりも。

久々に会った狐は、相変わらずって感じだった。
良くも悪くも。
別れてから誰ともやってない、
大学とバイト先の往復だ。と聞いて、
満面の笑みでジャンプしたい衝動をかくして、
へーとだけ発した。
興味ないですよ感を出して、望み通りそれは伝わって。

だけど本当は、喜んでるよ、嬉しいよ、また会えて死ぬほど幸せだよって伝えたかったし、読み取ってほしかったバレてほしかった。

2回目に会ったとき、狐がインフルになって、私にもしっかり移った。
バイトはもちろん、人との約束、愛してやまないRADWIMPSのLIVEですら行けなかった。

だけど、狐に会えたから、これからもセフレとして会えるから何でも良かった。

インフルで9日間仕事を休んだ私は、元から職場関係で病み始めていたからか、仕事に行けなくなった。

どころか、外に出られなくなり、誰にも連絡を返せなくなり、引きこもりになった。
ニートにもなった。SNSも全てやめた。
どん底に落ちた。

それでも定期的に狐と会えると思ったら、ラッキーくらいの感覚だった。
やっと、鬱になれたと思った。

もうお気付きだろうが、またあいつを好きになってしまっていた。完全に人生を、成長を、止めていた。後退していた。


5月6日
日付が変わった頃、親友の家で共通の男友達と飲酒ハイになった。
2人にまたねとさよならを告げ、狐が待つ自宅へと向かった。
性格的に状況的にすぐにバッドに入った私は、素直なメンヘラになった。

あなたを見ると、前の辛かったこと、
あの地獄のような年末の時期を思い出してしまう。
この関係に関わる憎い人物が思い浮かんで辛い。
だけど一緒にいたい。
けど、さっさとヤってさっさと「もう帰って~」、
って言えるさっぱりした関係になりたい気持ちもある。

できるだけ素直になって、心にあること、
頭に浮かんだ言葉を選んで並べて口にした。

ベッドで一緒に寝ていたが、帰る準備をする狐。

「じゃあもう会わない?会う度に君が嫌な思いするなら、会わない方が良いし。会わないならそう決めて、会う頻度減らすならそうしよう。どっちかはっきりしよう。一応、こっちも毎回感情の起伏があるから。
今の君の状態でじゃあさようならってするのは怖いよ。本当に心配なんだよ。
やる、やらないとかその為に会いに来てるんじゃないし、そんなレベルに俺はいない。」

と言い残し、結局はっきりせずに、帰って行った。

私はこの時の会話で、決めた。
これじゃ駄目だと頭では気付いていたことを、
ちゃんと受け止めて行動しようと、
頭が心を説得した日だった。

会話の中で、告白したわけでは無いが、
もう2人が付き合うことは無い、
音ちゃんと付き合うのは嫌だと。
狐の声をはっきり聞けたおかげで、目が覚めた。

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