声を聴いて

小学生のとき近所の同級生に
変な声!とからかわれて以来
声にコンプレックスがあった
よくよく考えてみればあれは
言うこと自体かなり失礼だし
彼女は常日頃から私のことを
からかったり嫌味を言ったり
要は気にしなくてよかった話

声がいいと褒められるまでになったのは
たぶん社会人になってからだと思うけど
好感度が高く電話の声がいつも癒しだと
あちこちから言われるようになりやっと
自信と共に声質を意識するようになった

声が出にくくなったと思うのは
たぶんおしゃべりをする時間が
絶対的に減っている現状のせい
またなめらかに声が流れるには
ひとりぼっちでいるのを止めて
ちょっと外界へ踏み出してみる
体力と気力と精神力がいるかも

だけど今はこの声の雰囲気が
謎にいい好感度の高さとかが
世間でどれほど通用するのか
確かめてみたくなったりとか

ずいぶんと世界から隔絶されたあとに
この声はどう響くのかを知りたくなる
もしも私が関わっていく小さな世界に
この声で心が温まる誰かがいるのなら
ここまで乗り越えてきた今声を聴いて