いつか

「いつかは」と「いつか」
ひと文字に隠された差は
どれほどあるんだろうか
境目が見えるんだろうか

あなたはいつも「いつかは」と
言っていたような気がしたから
「いつか」と区切って口にした
そのことがなんとも新鮮だった

「いつかは」は行きつく先
その到達点が確かにあって
ゴールゲートが見えるよう

「いつか」は果てしなく広がる空間
いつどこかも分からないけれどただ
「いつか」そうなっているだろうと

あなたはいつも「いつかは」と
言っていたような気がしたから
「いつか」と区切って口にした
そのことがなんとも新鮮だった

いつかをいつだと言い切れないほど
今は望み見るほどでしかないけれど
ほんのひとつ動かしてみるだけでも
ドキドキが止まらないくらいだけど

「いつかは」と息を切らし手を伸ばす
ここでしかない終着点をつかむよりも
どこに向かうかさえもまだ分からない
未来にもう少しだけ広がりを見させて
「いつか」