三行半

こういう類のものを書くのは
初めてだと思っていたけれど
よくよく思い返すとどうやら
三回は書いたような気がする

こういう類のものは思うより
ずっとあっさりしたつくりで
書いたことも忘れるほど簡単
文面も大体似たようなもので
実際に本人が書くことなどは
署名捺印で終わるのが関の山

事前に受け取ったそれはこの度も
例に漏れずあっさりしている上に
ざら紙であることに業界を感じた
正確には全部で七行あったけれど
そのうち日付と所属と署名押印と
提出先が最後に高々書かれていて
本文は表題と一行半のそっけなさ

こういう類のものを突き付けるのは
いつも自分のほうからだったけれど
そうするだけの確固たる理由なりが
あったからか記憶にも残らなかった
既に次が控えていたから慌ただしく
感慨も何もあったものではなかった

今回はこのあとどうなるか
まだ決めていないというか
まだ動いていないというか
まだ見えていないというか

差し迫った三年半という期限を思うと
こちらから三行半を潔く差し出すのが
自分にとっては納得いくやり方だった
あと正直なことを言えばもうそろそろ
微妙な立ち位置には疲れてきたかなと

始めるのには労力があれほど要ったけれど
辞めるのにはだいたいあっさりしたものだ
たぶん何事もそういうものなのだろうから
きっと今回の三行半もすぐ忘れるのだろう

まあ 三行半すらもないしね