見出し画像

冷静と情熱のあいだを感じて子どもの障害を受け入れられるようになりたい

四児の父。三つ子とお姉ちゃんの育児奮闘中。三つ子のうちの一人は中度知的障害児です。

三つ子の一人が、色々あって染色体異常に起因する知的障害ということがわかったのですが、障害を受け入れるのには、時間がかかりました。というか今も受け入れられているといってよいのかどうか。。。

小さく生まれた三つ子たちは、大きな病院のNICUにお世話になりました。いろいろな経緯を経て三つ子の一人は、同じ大きな病院で染色体の検査を受けることになりました。その結果、遺伝子情報を持つ染色体の異常を見つけることができたのです。昨今の医療は本当にすごいなぁと感心してしまいます。

さらに、脳のMRIや脳波も撮ることになりました。鎮静剤を使っての検査です。脳波の信号で「てんかん」などの病気はないことが分かりました。このとき同時に撮った耳の聞こえの検査で慢性中耳炎であることがわかるのですがそれはまた別の話ということで。

医療の発達は、とてもとてもすごいと感じています。小さな小さな染色体の異常や脳波の波形から病気の有無を見つけられるのですから。と言っても、その異常や病気を根本的に治すことはできないということは理解しているつもりです。対処は、できるでしょうけど。

ただ、自分の中でこんな思いがありました。『今の医学を持ってしたら知的障害について、どのくらいのどんな障害で、何ができるようになって、何が出来なくて、事細かにわかるのではないか?ひょっとしたら、何か治療する方法が出来ていたりしないか?』
淡い期待というか疑問を持ってしまっていました。染色体の異常もわかるし、脳波から病気の有無もわかるんだし。。。

そんな自分の疑問をMRIを撮って診察してくださった神経内科の先生に聞いてみました。
「MRIや脳波はミリメートルオーダーの脳の様子を見ることができる測定方法です。染色体の検査はナノメートルオーダーの細胞の様子を見ることができる測定方法です。残念ながらその間のマイクロメートルオーダーの細胞や脳の様子を見ることができる測定方法がありません。つまり、見えていない領域、わかっていないこともたくさんあるのですよ。」という回答でした。

目からウロコというか、なるほどなぁという回答でした。見えていない、わかっていない「間」があるのか。冷静と情熱のあいだみたいなもんか。と勝手に古い映画?ドラマ?を思い出しながら納得しました。

三つ子のうちの一人は、中度知的障害で、言葉がまだ出ません。でも保育園の先生から、愛らしいですよね〜って言われたこともあるし、保育園に行けばみんなに可愛がられる。いろんな人に手を振りまくったりもする。愛嬌があるというのかなんというか。

医療でも見えてない領域がある。つまり、その見えてない領域に秘めた力があるような気がしています。その力に気がついてあげられるか。その力を伸ばしてあげられるのか。不安は尽きませんが、「間」は確実にあると思います。その見えていない領域の秘めた力を感じることができるようになったとき、障害を受け入れられるようになるのかな〜と思いながら過ごすようにしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?