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乳幼児と親子の支援事業ー変わるものと変わらないもの

 子どもの発達や親(=大人)を捉えるとき、よく「昔と比べて………」というフレーズを耳にします。しかし人間自体は一見そう変わるものでもないようにも感じるわけです。
 今回は、ひのりす君が所属する「ひの社会教育センター」で開設以来50年近くに渡って続けられている乳幼児教室を指導しながら事務局も担当している職員の清水さんにひのりす君がインタビューしてみました。

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【専門的な知識と長い経験が生み出す職人技】

ひのりす:清水さんは幼児のクラスの「先生」としての顔と、クラスを創りパパやママにお誘いをする「事務局」としての顔がありますが、どのよう経緯でこの仕事をし、今はどんな思いで働かれていますか?

清水さん:私は10年近く都内で幼稚園の教員をしていました。子育てでしばらく現場を離れていましたが、小学生になる自分の子どもがセンターの体操教室に参加した際にたまたま見かけた指導者募集のチラシがキッカケでした。
 講師として働き始めて感じたのは、クラス先生達の専門的な知識、技術だけでなく細かなところまで考えられたプログラムや遊びの内容を見て、どうしてもっと早くに知らなかったんだろう…知っていたら自分の子どもを通わせたのに…と思うことが多々ありました。

ひのりす:>先生方の専門的な知識や…細かなと細かなところまで考えられた…とありましたが、例えば具体的にどんなことがありますか?

清水さん:子どもの活動はよく「年間計画」と呼ばれるものがあり、どこの施設でも1年間の指導計画に基づいてプログラムが提供されていると思います。しかし、面白い事に同じ年齢の子どもクラスを毎年やっていても、集まってくる子どもたちの様子によっては「合わない」こともあるんですよね。そんな時に採れる方法は2つ。そのまま計画通りに進めるか、計画をその場で変更しながら進めるか。
 ここの先生方のすごいなと思ったところは、プログラムをどんどん変えてゆくんです。大切にするベースは変わらないものの、子どもや保護者に適切な負荷強度や理解に合わせています。子供達の様子に合わせてその都度内容を変化させているということですね。

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ひのりす:適切な負荷強度…大切ですね。確かにクラスを見学してみるとなんだかみんないきいきしている気がする…。意外なのは子どもだけじゃなく大人がいきいきしている気がしますね。(笑)

清水さん:子どものその時期ならではの育ちを理解し、ありのままの姿を認め子どもが好きなこと楽しめることを親子で見つけたり楽しむ時間を持てることは、親にとっても子どもにとってとても幸せなことだと思います。

ひのりす:たしかに、「子どものありのままの姿を認める」とは誰もが当初願うことですが、親と子の関係だとなかなかそれもうまくいかない気がします。そういったときにこういう場で、しかも専門的な助言が受けられることは幸せですねぇ。

清水さん:イヤイヤ期の子どもをどうしたらいいのかわからない、偏食が多くて悩んでいる、言葉の発達が遅い気がする…子育て中は様々な悩みがそれこそ十人十色あると思います。そんな悩みがある時に、子どものことも親のことも知っている人がいて話を聞いてくれる、自分だけでなく多方面から子どものことを見ていてくれる、知っていてくれる存在がいるということはとても心強いと思います。ただ、これは誰にでもできるわけではなく、長年の経験が生む職人技のようなものです。先生方全員が保育園や幼稚園で長く乳幼児教育に関わってきている専門家だからできることなんだと、つくづく思います。

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【人は大きく変わらない、変わったのは社会的背景】

ひのりす:清水さんから見て、親子関係や子どもの「変わったこと・変わらないこと」はどう映りますか?

清水さん:裸足での活動する大切さは今も昔も変わらないことの一つです。裸足で活動することで、足裏を刺激したり土踏まずの形成を促します。幼児期は『あそび』が全ての中心。公園などで体を使って好きなように遊ばせることももちろん大切ですが、自分に使いやすい手や足だけでなく体の部位に偏りがないよう全身を使って均等の取れた身体になるようなプロセスは時代に関係無く大切ですし、私たちの教室でも重要視しています。
 変わったことは共働き家庭が一般的になったことで、早い段階から保育園へ通う子が増えたり、幼稚園の満3才児保育やプレクラスなど、子どもを教育・保育機関に預ける傾向が増えたことです。親子関係やそれを取り巻く社会的背景は確実に変化していると思います。

ひのりす:なるほど。そういえばセンターのクラスでは「親子クラスと子供だけの活動」がありますが、対象を分けている意図はなにかありますか?

清水さん:利用されている会員さんのニーズに沿ったラインナップをその時代に合わせて変化させています。30年くらい前は、3~5才児の子ども向け体操教室がメイン。幼稚園が2年保育から3年保育に代わる頃から、幼稚園入園前に集団に慣れさせたいという声が大きくなり1才児クラスを立ち上げました。そののちに低年齢の希望が多くなり0才児のクラスを立ち上げ、入園前の集団生活の場として子どものみのクラスを立ち上げと続きます。
 0~3才の頃は長~い子育て時間のなかでも、母子が関わる時間がたくさんとれる期間であり、子供が親からたくさんの愛情を受けて徐々に周りの世界へと興味や関心を広げていく時期です。たくさんの親子時間をより豊かで楽しい時間にできるような活動をクラスで行うことで、日常の子育てがお母さん達にとって、より楽しい時間になるといいなと思っています。
 一方で子どもだけのクラスは入園前に母子分離の練習や集団生活、基本的な生活習慣(トイレ、着替え、手洗い等々)が身につくように練習を行うことが主なねらいになっています。

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【地域の子育て拠点の一つとして…】

ひのりす:地域には無料で使える児童館や子育て広場など、子育て拠点があって、同じような親子企画をたくさんやっています。一方、こちらは参加するのに費用がかかる、つまり有料ですね。パッと金額だけ見比べちゃうと無料のほうが♥…と思ってしまいがちですが、何かその違いで意識していることはありますか?

清水さん:選んで来てくれる参加者の方に満足してもらえなくては当然誰も来てくれなくなるので…
 活動の内容を年間通して組むだけでなく、その時々の子ども達の様子や発達の段階に応じてプログラムをその都度変化させています。
 中には何年にもわたって継続して来てくれる子もいますが、その分一人一人の子どもの個性や様子を把握できるのでお母さん達が子育ての悩みがある時には話を聞いて、個々に合ったアドバイスができるようにしています。子どもたちの成長をお母さんお父さんと一緒に喜び合える関係がここの良さだと思います。また、同じ価値意識を持った方々が集まってくる傾向にあるので、「思考の合うお友達」ができることが、ママ友・パパ友にとってはいいようです。
  初めての子育てでどんなことをして遊んだらいいのかわからなかったり、お友達や知り合いを作りたいお母さん、日常の子育てにヒントが欲しい方、入園前に集団での経験をさせたい方、にオススメですよ。

 ひのりす:そう考えると日野市は地域に多様な子育て拠点があって、選択肢が多いってのはいいですね。ひの社会教育センターの幼児教室は市内外どこからでも参加できるので、近隣のみなさまはぜひどうぞ!
 そして遠方の地域のみなさんは、ぜひ乳幼児支援事業にこんな視点もご活用ください♪

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