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すばらしい父親だった!享年88歳ー「父を偲んで・・」:孔子公園の思い出と「お父さんの詩(ぼくのお父さん)」

「父を偲んで」
夕飯を家族で囲んで テレビ
NHKのシルクロードの旅を楽しんだものだった
中国4千年の歴史上の偉人
孔子様
孔子様を祭った孔子公園が
この熊本の地に 出来上がる日

あの 燃えてしまった 大洋デパート、その企画現場
看板職人だった ぼくの お父さん
あの大劇の映画看板も よく描いていた
たくさんの看板の お仕事に 恵まれ
神社 や お寺の お仕事も 多かった

山鹿 の 八千代座 の天井の鳳凰の絵も

あの 「朝鮮飴」の包装紙 熊本城全景 も 描いていたよ
昔 あった 千葉人工スキー場やハウステンボスの作品も手掛けた
生まれ故郷は矢部町浜町だったーーー今は 山都町になっているーー

以前 その地にある水路の橋の横 小屋に飾ってあった
通潤橋の絵も ぼくのお父さんが描いたんだ
随分と何年もかけて 構図を完成させたんだよ
「水の豊かな台地から水の少ない台地へ水を潤すーーー」
そういう意味では 「ほどこしの橋ーーー通潤橋」
通潤橋は「愛の橋」なんだ

孔子公園ーーお父さんは 来る日も来る日も 少しずつ 描いていってー
毎日 毎日 コツコツと描いていってーー3ヶ月もかけて 完成したんだ
壁画は もちろんのこと 柱を赤く塗ったり 他の装飾もーー
ほくの お父さんは せっせと 働いた
ペンキ代には たくさんのお金をかけて描き上げた
やっとのことで 完成した 孔子公園
お父さんは とても満足そうだった
そして ご褒美の お仕事の お金の日がーーー
その日が なんと やってこなかったんだ
中間の業者か何かが 計画倒産のようなことをして
お金を 横取りしてしまったーー
ぼくの お父さんは それから 何日間も
ご飯が 喉を通らなかった
中間の人たちが お金を取って 逃げちゃったーー
ぼくの お父さんは 高額のペンキ代を払い
孔子公園の壁画を 毎日 毎日 休まずに描いて
通い続けて3ヶ月 ガソリン代も たくさん使って
たくさんの 手間をかけてーー
孔子公園の壁画 装飾を 完成させたのにーー
それなのにーー
お仕事をした お金を もらえなかったんだーー

ぼくたち 子供 3人には そんなことを知らせることもなく
お父さんは 子供たちに悟られないようにーーー
物静かに ただ 沈黙し 耐えていたーー

ぼくが 大きくなって 随分 月日が流れた頃
ぼくは お父さんと一緒に 山鹿のほうへ出かける用事があり
その帰りに 酒水に差し掛かり 気が進まないように見えた
お父さんを  せっかく近くまで来たのだから と
やさしく 誘い  孔子公園へ 行ってみた
ーーーとても古くなっていたーーー人気はほとんどなく
ーーーーーとても寂れていた
壁画も装飾も 色褪せていたーーーーーぼくは お父さんに言った
ぼくの「権利のお金」が入ったら二人で一緒に
孔子様が祭ってある この公園を ボランティア で
きれいに 壁画を 描き直そうねーーーぼくが お父さんが乗る
「脚立」を支えて 手伝うからーーー そう 相談しあっていた
そして そこに 祭られていた孔子様へお賽銭を投じ お参りをした

それから しばらくして 2015年 6月 お父さんは天国へ召された
息子の私は 父が再び孔子様のお姿を描く為に乗る「脚立」を
持つことはなくなったが 私には 詩人として
父を偲ぶ この詩を発表する機会が与えられたーーー

まぶた を つむれば
子育て 真っ最中の
若かかりし頃の お父さんの バイク姿ーーー
バイクの風をきって 風の中から 聞こえてきた
「誰もが社会に奉仕することで
お金なんて なくったって 生活できれば いいのにーーーー」
皆の 風になって 伝われ よ
直接 社会奉仕している大勢のみんなの想いになってゆけよーーー
お父さんの 悲しい思い出よ むくわれよ!
お父さんの つらかった想い出よ むくわれよ!
ぼくの お父さんの生まれ故郷の 愛の橋の ようにーー

お父さんの詩 (ぼくのお父さん:孔子公園編)

自宅の 勝手口から 繋がっている この 作業場
お父さんの 仕事場 だった
隅っこに 脚立が たててあった
手に取り 両腕で しっかりと支えるように
持ってみたーーー
孔子公園 父と 訪れた日
お賽銭を入れて 願った日
「一日も早く「権利のお金」が手元に入りますようにーー」
「父が10年かけて熊本の神社を巡りスケッチをした300作品を
超える神社のスケッチが生かされますように・・・」
「私の詩たちが世界平和に寄与できますように・・・」
そして この孔子公園で 父と息子二人で ゆっくりと
時間をかけて ボランティアが できますようにーーー
少ない お金で たくさんのことを お願いしたーーー
父のことを 思い浮かべながら
再び 力を入れ直し 重さを感じない
脚立を 両手で 支えるように 持って
目を つむり
重さを 感じようと
思い浮かべる
太陽の日差しをいっぱいにあびながら
色あせた 孔子公園の壁画を
孔子様のお姿を描き直している
父と子の姿をーーー筆を持った 父の
晴れ渡るような 笑顔をーーー
(今からだと ばかりに)
しっかり と
この 胸 に 抱き ながら

            ひのでたろう













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