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スマホが壊れた

スマホが壊れた。しかも唐突に。

いつものように学校から帰るバスの中で、友達と連絡を取り合っていたら唐突に電源が切れた。

いくら起動しようとしても、うんともすんともいわない。

帰りにショップに寄って手続きをしようとしたら、親の免許証のコピーとかが必要らしかった。両親はいつも帰りが遅く、今日中に新しいスマホを手にするのはまず無理だった。

仕方なくそのまま家に帰って、いつものように風呂に入り、一人で夕飯を食べ、自分の部屋で横になる。

漫画を読んで、ネットで動画を見て、ゲームをして、暫くして…。

暇だ。一通りやり尽くしてしまった。

いつもだとこの後友達達とスマホで連絡を取り合っているのだが、それが出来ない。

ぼーっと天井を見る。スマホの通知音が鳴らないので、ひどく静かだ。

こういう時、何をすればいいんだろう。

筋トレ?いやいやこれからすると下手すると眠れなくなる。

読書。うーむこれと言って読みたいものもない。

そういえば物心ついた時からスマホと共に生きてきて、いつでも誰かと連絡を取っていた。

それが出来ないと、なんだか胸にぽっかり穴が空いたようだ。

もう一人でいることが出来なくなっているのかもしれない。

昔テレビで人は死ぬときは孤独だと言っている人がいたが、果たして俺はその孤独に耐えることができるのだろうか。

まぁ自分が死ぬのなんて何十年も先の話だろうから、今考えなくてもいいのかもしれないけど。

柴田は相変わらずアホなことを言って皆を笑わせているんだろうか。

美穂は今頃バイト先の愚痴をこぼしているかもしれない。

詩織ちゃんは今頃何をしているんだろう。

寂しい。みんなと話がしたい。

明日になったら皆と話しをしまくってやる。ちょっとウザがられてもしるもんか。

俺はこんなに寂しい思いをしたんだ。ちょっとぐらい大目に見てもらおう。

明日は何を話そうか。

皆の顔を思い出したら何だか楽しみになってきた。

あぁ、そうか。もしかしたらこういう風に時間を過ごせばいいのかもしれない。


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